ピザとピッツァは別のもの

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飲食店 話しのタネ

サンドウィッチマンさんのネタでおなじみのフレーズ「ピザじゃなくて、ピッツァです!!」
自分も大好きな芸人さんでたくさん笑わせてもらってますが、実はピザとピッツァは発音の違いだけでなく、細かくは本当に別のものだったりします。

という事で、今回の話のタネは、『ピザとピッツァ』のような、意外とあいまいになっている、食べ物に関する似たような名前のものを集めてみました。

「へー、実は違うものだったんだ~」みたいに感じるものもあるので、飲食に関するサブ知識みたいな感じで読んでいただければと思います。

ピザとピッツァ

まずは、「ピザ」と「ピッツァ」
両方ともピザはピザなのですが、簡単に言うと、”アメリカスタイル” と “イタリアスタイル” の違い。

ピザ

“ピザ” はアメリカスタイル。イタリア発祥の料理であるピッツァがイタリアからの移民によりアメリカに持ち込まれて独自の進化を遂げたものです。ピザは作り方などに厳格な決まりがないため、色々なタイプのものが楽しまれ、丸型だけでなくスクエア型のピザ(デトロイトピザ)や、深みのある鍋のような生地のピザ(シカゴピザ)などもあります。

基本的には大人数でシェアするので、大きな円形のピザに切れ目を入れて提供され、手で取って食べます。オーブンで焼かれるので、ふんわりとしたパンのような生地が特徴的。生地よりも具材を重視しており、多種多様な具材が使われます。

日本で一般的な宅配ピザはアメリカスタイルのピザなので、具材がとても豊富なものが多いですね。

ピッツァ

“ピッツァ” はイタリアスタイル。ピザに比べて以下のような決まりがあります。

・生地の材料は水/小麦粉/食塩/イーストのみを使用し、オリーブオイルを生地に混ぜたりしない
・生地を伸ばす際は、めん棒など使わずに手で行う
・400°~500°の高温の石窯で短時間焼く

石窯で焼かれた、外がカリッと中がモチモチの生地を楽しむ料理のため、具材はチーズと、他に1,2種類とシンプル。日本人はどちらかというと小さい頃から宅配ピザに慣れている人の方が多いので、ピッツェリアで出会うピザは具材のさみしさを感じてしまうかもです。

また、石窯で焼く決まりがあり、家ではなかなか作れないので、ピッツァは外食するのが一般的。ピザと違いピッツァはシェアせずに、1人1枚食べるので提供時に切れ目はなく、ナイフとフォークで食べます。熱々を食べてもらいたい料理なので、なおさら手では食べづらいですね。

ブロッコリーとブロッコリー二

お次は野菜の似た名前ですが、こちらは見た目もけっこう違います。

ブロッコリー

説明不要の主力の緑黄色野菜。普段食べている部分はつぼみで、そのまま成長すると1つ1つから花が咲くみたいです。栄養豊富な野菜で健康や美容を気にする方に人気がありますね。

ブロッコリー二

“スティックセニョール” とも呼ばれる、スティック状のブロッコリー。日本で開発された野菜で、ブロッコリーに、カイランという中国の野菜をかけ合わせたもの。

ブロッコリーは根元の方の芯は硬くて食べられないが、ブロッコリー二は、アスパラガスのように芯まで丸ごと食べられます。栄養成分はブロッコリーとほぼ同じで栄養豊富。

特にオーストラリアで一般的な野菜で、シンプルにソテーしてメインの料理のサイドディッシュとして食されるようです。

スパゲッティとスパゲッティーニ

こちらは、ホントに細かな違いなので、知らないと判別できませんし、知っていても見た目で区別はつかないかもです。。

“スパゲッティ” も “スパゲッティーニ” も、どちらも断面が円形のロングパスタなのですが、スパゲッティーニの方がちょっと細いです。
この2種類以外にも、断面が円形のパスタで太さの違いにより呼び名が変わるものがあるので、その断面の直径と共に合わせて紹介しておきます。

・ヴェルミチェッリ   2.1mm~2.2mm
・スパゲッティ     2.00mm前後
・スパゲッティーニ   1.6mm~1.7mm
・フェデリーニ     1.4mm~1.5mm
・カッペリーニ     1.3mm以下
・カペッリ・ダンジェロ 0.7mm~0.9mm

ちなみに、スパゲッティより太い2.00mm以上のヴェルミチェッリなどのパスタを “スパゲットーニ” と呼んだりもします。また似たような名前が出てきました。。。
まぁ、わずかな違いなので間違えていても恥ずかしくないと思いますが、飲食雑学として知っていると、ちょっと鼻高くなれるかも。

似たような関係で、断面が楕円形の「リングイネ」というパスタのちょっと細いバージョンで「リングイネッテ」というパスタもあるようです。

セロリとセロリアック

これも似た名前の野菜ですが、見た目も変わりますし、食べる部分も違います。

セロリ

ヨーロッパで古くから食べられていた野菜で、日本には江戸時代にオランダ船によって持ち込まれました。そのため和名は「オランダミツバ」といいます。

また、セロリと一言で言っても、大きく分けて4品種に分けられます。

・セロリ     日本国内で一般的なセロリ、茎は黄白色
・ホワイトセロリ 茎が白く細い
・グリーンセロリ 茎も葉も緑色のセロリ
・スープセロリ  中国では芹菜(キンツァイ)と呼ばれるもので、セロリよりも茎がかなり細い

ちなみに江戸時代以前の16世紀末ごろに、セロリよりも先にスープセロリが日本に持ち込まれていました。
加藤清正が朝鮮出兵の際に中国種の芹菜(キンツァイ)を持ち帰ったのが日本へのセロリ種初上陸で、この事から当時は「清正ニンジン」と呼ばれていたようです。

セロリアック

セロリの変種で、セルリアックやセルリラブなど呼び名は様々。和名はカブラミツバで、根セロリとも言われる。セロリが葉っぱや茎の部分を食べるのに対して、セロリアックは肥大した根茎を食べます。

生でも食べられるため、薄くスライスしてサラダに使ったり、火を通すとほくほくした食感になるので炒め物などにも使えます。また、じゃがいものように茹でてつぶして、マッシュポテトのように食べる事も出来ます。

アニスとスターアニス

この2つは良く混同されがちですが、植物の分類上も見た目も全くの別物になります。ただ、どちらも “アネトール” という特徴的な香りの成分を持っているため、料理には同じ用途で使われたりしますね。

アニス

ヨーロッパで古くからスパイスや薬草として使われてきたハーブ。使用する部分は “実” なのですが、見た目で種のように見えるため “アニスシード” とも呼ばれます。
お菓子の風味付けやお酒などに良く使われていますね。

スターアニス

アニスと聞いて思い浮かべるのは、どちらかというとこちらかと思います。
中華料理で良く使われるスパイスで、その見た目から「八角」とも呼ばれます。豚の角煮や杏仁豆腐に良く使われますね。

アニスの香りに似ていて、星形をしているから「スターアニス」と名付けらているので、アニスとしてはスターアニスの方が後輩です。でも、スターアニスの方が安価な事から、目にする機会が多いため、アニスとしての認知度はスターアニスの方が高いかもですね。

新モノ

ちょっとニュアンスが変わりますが、「新ジャガイモ」とか「新タマネギ」とかの、良く聞く新○○に関して。
新じゃが、新玉ねぎの他にも、「新サンマ」「新わかめ」などなど、新○○ってけっこう聞きますよね。
そもそも、新がつくものとつかないものの違いは何なのでしょうか。
以下のようなポイントで新○○と名付けられるようで、それぞれで意味合いが多少変わります。

①旬

よく”新モノ”と言われるときは主にこの意味合いで使われることが多いです。以下に記載の②~④にも、広義では”旬”の意味合いが含まれるかと思います。

②完熟前に収穫するもの、早獲り野菜

「新じゃがいも」「新ごぼう」などがこれにあたります。通常、じゃがいもは完熟してから収穫され、一定期間貯蔵された後に市場に出回りますが、新ジャガイモは熟成前に収穫します。そのためジャガイモに比べると小ぶりなものが多いですね。
新ごぼうも、大きく育つ前に収穫したものです。

③収穫後にすぐに出荷したもの

「新タマネギ」がこれで、普通のタマネギは収穫後に乾燥させてから出荷するのですが新タマネギの場合は乾燥させません。乾燥しないのでみずみずしさが残っているものの、長期保存には向きません。
収穫後すぐに出荷、という観点だと「新じゃがいも」も当てはまりますね。

④”生” 冷凍、乾燥、塩漬けなどの保存処理されていないもの

「新サンマ」や「新わかめ」などはこれにあたり、冷凍してない生のサンマや、乾燥や塩漬けしていない生のわかめをさします。
サンマはスーパーなどでほぼ一年中見かける事が出来るのですが、漁自体は7月~11月ごろなので、その時期以外に出回っているものは冷凍したサンマであることが多く、区別するために新サンマと呼ばれます。
わかめも同じく、乾燥わかめは一年中ありますが、生のわかめが出回るのは2月~3月ごろです。

細かなニュアンスがそれぞれ違うので一括りにしづらいですが、「一般的に出回っているものではなく、その時期ならではの美味しさを楽しめる食べ物」といった感じでしょうか。
この考え方だとやはり ”旬” になるのかもしれませんね。

 

ちなみに、うなぎにも「新仔うなぎ」と呼ばれる『新』が付くものがあります。
こちらは、養殖うなぎの中で、通常の育成期間よりも早く市場に出るうなぎの事で、その理由は、餌をたくさん食べるから。餌を多く食べる事で、他のうなぎよりも成長の速度が早くなるようです。
新仔うなぎの選別方法はけっこうアナログで、いけすの中から体の大きいうなぎを別グループに分ける事を繰り返して、成長の早いうなぎを選別していくようです。
うなぎは養殖期間が1年を過ぎると段々と身が硬くなってくるようですが、成長の早い新仔うなぎは若い個体のため身がやわらかくジューシー。もともと精のつく食べ物としてうなぎは一般的ですが、新仔うなぎは高い生命力からその中でも特に精がつきそうですね。

 

 

今回は、飲食に関する似た名前の食材などを紹介させてもらいました。
ちょっとした雑学として話のタネにでもしてもらえれば幸いです。

食べ物に関する話のタネはまだまだたくさんあるので、また改めてまとめてみたいなと思います。

今回もありがとうございます。

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