タルトとパイの違い ~ 似ているスイーツの名前 ~

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飲食店 話しのタネ

疲れた時やご褒美に甘いもの。すごく美味しいですね。
先日、立ち寄った洋菓子屋さんで甘いものを選んでいると、美味しそうなものを発見。
ギザギザの生地の上に、レモンクリームと砂糖漬けのレモンがのった見た目も爽やかなスイーツに目をひかれ、「レモンタルト」かな、、なんて表示を見ると「レモンパイ」、、ん。。。
(これはパイ、、、なのか)(パイって薄い生地が層になっているような、、もうちょっと平べったいもののイメージが、、、)なんて思っていたら、『これはタルト型で焼いているんですけど、生地を層にしているので「パイ」なんです』との事。
そうなのか。パイなのか。一目見ただけじゃ分からないものもあるのね。

と、スイーツには同じような見た目だけど全然違う名前がついていたりするものがあります。
今回は、話のタネとしていくつか紹介させてもらいますね。

 

似ているスイーツの名前

◆タルトとパイ

まずは、タルトとパイ
厳密に突き詰めていくと、一概に線引きして分けるのは難しいのですが、、

・タルト

タルト

生地を練って型に入れて焼き上げたもの。生地を層にしていないためザクザクやほろほろとした食感となります。生地の上にフルーツやクリームなどの具材をのせて完成なので、生地で包んだりはしません。

特徴に応じて主に3種類の生地があります。
・パートシュクレ 砂糖を多く使い、硬さのあるザクザクとした食感。
・パートサブレ  シュクレ同様砂糖を使用するが、シュクレに比べると軽い食感で崩れやすい。
・パートブリゼ  砂糖を使用しない甘さのない生地。卵やバターの量が少なくサクサクの食感になります。
※ちなみに、フランス語で「パート」は “生地” の意味で
他はそれぞれ「シュクレ」は”甘い”、「サブレ」は”砂のような”、「ブリゼ」は”砕かれた”、といった意味となります。

・パイ

パイ

生地を練って薄く伸ばして何度も折り込んで層にして焼き上げたもの。何層にもなった生地によりパリッとした食感が最大の特徴。また、生地で具材(フィリング)を覆っている状態もパイの特徴で、薄く伸ばした生地を折り込んだものであっても具材を覆っていなければパイと言わないケースもあります。
「パイ」は英語ですが、フランス語で折り込みのパイ生地の事は「パートフィユテ(フィユタージュ)」と言われます。ちなみに、フィユテは “折り込んだ”、といった意味合いがあります。

 

◆ガトーショコラとブラウニー

お次は、チョコレートケーキで良く見る名前のこちらの2つ。
また、他にもよく似たチョコレートケーキの「フォンダンショコラ」や「ザッハトルテ」も合わせて紹介。

・ガトーショコラ

ガトーショコラ

チョコレート、バター、砂糖、小麦粉、卵で作るチョコレートケーキ。卵は卵白をメレンゲにして使用するので、焼き上がりはふんわりと、時間が経つとしっとりとした食感になります。形状はホールケーキ型が使われることが多いので、丸型を切り出した形のものをよく見ます。

フランス語でガトーは “焼き菓子”、ショコラは “チョコレート”、の意味なので、フランス語の言葉の意味合いとしてはチョコレートケーキ全般を指すことになります。より厳密に表現すると、日本で、ガトーショコラとされているものは、”ガトー・クラシック・オ・ショコラ”と言うようです。

・ブラウニー

ブラウニー

チョコレート、バター、砂糖、小麦粉、卵、ベーキングパウダーで作るチョコレートケーキ。ガトーショコラに比べると小麦粉の使用量が多く、中身の詰まった食べ応えと、しっとりとサクッとの中間のような食感になります。材料にナッツなどを使用する事も多く、色々なバリエーションのブラウニーも見ますね。

スクエア型で焼かれることが多く、もともと食べやすさを意識して作られたチョコケーキなので、手軽につまんで食べられるような四角い大きさのものが一般的です。

・フォンダンショコラ

フォンダンショコラ

フランス語でフォンダンは “溶ける”、ショコラは “チョコレート”、なので、フォンダンショコラは、溶けるチョコレートとなります。
チョコレートと生クリームを合わせたガナッシュを生地の中に入れて作るので、中からとろ~っとチョコが溶けて出てくるのが特徴的ですね。温めて食べるとガナッシュがよりトロっとしておいしくなります。ただ、焼く時に火を入れすぎてしまうと中のガナッシュが固まってしまい、ガトーショコラとほとんど変わらない、、、みたいなことにもなってしまうので要注意。

・ザッハトルテ

ザッハトルテ

「チョコレートケーキの王様」とも呼ばれるオーストリアのウィーン発祥のチョコレートケーキ。他のチョコレートケーキとの明確な違いは、アプリコットジャムを使用する事と、表面を溶かしたチョコ入りのフォンダンでコーティングする事です。
ちなみに、ザッハトルテの名前ですが、ザッハはザッハトルテを作った菓子職人の ”フランツ・ザッハ―” さんの名前から、トルテは、ドイツ語で、”丸い円形の菓子”の意味があり、この組み合わせで出来ております。

 

◆スポンジケーキとシフォンケーキ

次は定番のケーキで見た目もあまり変わらないこの2つ。

・スポンジケーキ

スポンジケーキ

小麦粉、砂糖、卵とシンプルな材料で作るケーキだが、卵の泡立て具合が出来上がりの肝になってくる。また、生地に動物脂(バター)が使われる事もあり、バターは常温になると固まる性質があるので、焼き上がりの形をさらに保ちやすくなる。
ショートケーキなどのデコレーションケーキや、丸めてロールケーキにしたりもしますね。

・シフォンケーキ

シフォンケーキ

生地に、植物油、サラダ油が使われるのが主な特徴。植物油は常温では液状なので焼き上げたあともフワフワの状態となる。ほうっておくと重力に負けて沈んでいく場合もあります。
また、植物油と合わせてメレンゲを使用する事で、さらにふわふわになったりします。
食感を楽しむためにシンプルにホイップクリームにつけて食べる事が多いですね。

 

◆マドレーヌとフィナンシェ

ギフトなどでも定番の焼菓子、マドレーヌとフィナンシェ。分かりやすい違いは “かたち” ですが、もちろん作り方や食感も違います。

・マドレーヌ

マドレーヌ

薄力粉、砂糖、卵、バターで作る焼菓子。卵は全卵を使用し、ベーキングパウダーをいれるためふんわりと柔らかい食感になります。使用するバターはあらかじめ溶かしたものを使用し、バターの風味やコクが味わえます。

貝の形をした型で作られることが多く、その形もホタテのような平べったいものから、細長い形のものまでいくつかあります。日本ではかつてカップケーキ型や菊型で作ったものをマドレーヌとして認識されていたが、これは ”パンドジェーヌ” という焼き菓子が間違って伝わってしまったみたい。薄くひらべったいカップケーキ型にはいったマドレーヌを見かけたりもしますよね。

・フィナンシェ

フィナンシェ

薄力粉、砂糖、卵、バターで作る焼菓子。卵は卵白のみを使用します。アーモンドパウダーを加える事も多くサクッとした軽い食感になります。また、焦がしバターを使うのも特徴的で、表面がカリッとした香ばしい味わいとなります。

金塊をイメージした平たい長方形の型で作られるのが一般的。フィナンシェはフランス語で「金融家」の意味があり、証券取引所の金融家がスーツを汚さずに手軽に食べられるお菓子として、食べやすい形状になっているそう。

 

なんだか甘いもの食べたくなってきました。。
そんな時はこちら。いろんな種類のケーキが選べますよ。

 

いくつかの紛らわしい名前の洋菓子を紹介させてもらいました。
郷土菓子のようなものだとその国独自の呼び方があって言語的に共通する事が難しかったり、また新しいジャンルのお菓子が出来てきて、カテゴリー分けがさらに難しくなったりと、分かりにくい名前のものはまだまだたくさんありますよね。そんなたくさんのお菓子も、また紹介させてもらえればと思います。

今回もありがとうございます。

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