みなさま、何か資格をお持ちでしょうか。
身近なものだと、運転免許、英検、TOEIC、TOEFL、漢検などがあり、難易度の高そうなものだと、税理士、弁護士、お医者さんなど、様々なものがあります。趣味や特技の延長にあるようなものもありますし、仕事ととしてしっかりとお金を稼げる資格もありますね。
今回は数ある資格の中から、飲食店スタッフがその仕事に活かしやすい、いくつかの資格を紹介させてもらいます。資格によっては、会社の規定から手当がついて給料アップするような資格もありますよね。
ちなみに、飲食店を運営するうえで必ず必要になる資格もありますが、それは以下の2つです。
・飲食店を営業する場合、各施設に1名必要。
【防火管理者】
・収容人数30名以上(お客様+従業員)の飲食店に1名必要。
また飲食店の広さによって、甲種と乙種の2種類の資格がある。
飲食店スタッフにおすすめの資格 7選
ソムリエ
言わずと知れたメジャー資格。飲食店で役に立つ資格として最も分かりやすいものかと思います。また説明不要だと思いますが、ワインに関するプロフェッショナルの資格です。
年に1回の試験があり、合格率は約30%。
ソムリエと同レベルの知識を有する「ワインエキスパート」という資格もありますが、こちらは、簡単に言うと飲食業に従事していない人のためのワイン資格です。
実際に資格保有者の現場での勤務などを見ていると、お客様に対しての信頼度はもちろんあがりますが、何よりも同僚や会社からの信頼感や頼られ方に違いが出てくる資格かな、と感じます。もちろん、ワインを全く取り扱わないような業態だとその周りの期待も薄くはなりますが。
利酒師
上記のソムリエ同様、お酒に関する資格で、こちらは日本酒に関するプロフェッショナルです。飲食業に携わる人に限らず、日本の世界に誇る醸造酒である “日本酒” に対して、多くの人が知識を深める事は、伝統を守り広めていく意味でもとても良いことだと思います。
ちなみに、他に紹介する資格でも共通する事ですが、国家資格ではない場合は、資格を付与している団体によって同様の内容の資格でも違う名称の資格がいくつかあったりします。
こちらの日本酒に関する資格も他に、「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」という先述のソムリエ資格の “日本ソムリエ協会” が主催している資格や、「日本酒検定」などがあります。
合格率的には、「利酒師」が約80%、「SAKE DIPLOMA」が約40%と、SAKE DIPLOMAの方が難易度が高いのですが、資格の知名度は利酒師の方があると思います。
その理由の一つに、利酒師の2024年時点の資格保有者は約50,000名、一方SAKE DIPLOMAは約7,000名と人数の違いが大きく影響している点はあるかと思います。
レストランサービス技能士
こちらのレストランサービス技能士は、食事・飲料・サービスに関するスペシャリストとして認定される国家資格です。1級~3級までの3段階があり、主に業界での実務経験の年数や、専門教育機関での教育の有無によって受験資格が変わります。
料飲やサービスに関する知識の他にも、食品衛生、食文化、施設管理、クレーム対応、法規関連など飲食店運営において役に立つ知識を問われるので、指導者のいない状況で管理職になった飲食店の店長さんなどは、資格取得に向けて勉強する事が、運営における行動指針の1つの参考としてとても役に立つのではないでしょうか。
また実際に現場で働くのもそうですが、それ以上に、講習や人材育成などの面で資格取得で得た知識を発揮できると思います。
野菜ソムリエ
こちらは “日本野菜ソムリエ協会” が認定する民間資格で、野菜や果物に関する知識のプロフェッショナルです。
生産者と消費者の架け橋となることをベースに、素材の目利きや、栄養について、素材に合わせた調理法などの知識面で、飲食店での仕入れや調理、メニュー開発など、また飲食店以外でも、料理教室などの講師やメニュー監修などに活用できる資格です。仕事に限らず、日々の生活においてもその知識は大いに役に立ちますね。
その目的によって、「野菜ソムリエ」「野菜ソムリエ プロ」「野菜ソムリエ 上級プロ」の3種類があります。
比較的取得しやすい資格でもあるので、気軽に挑戦できる資格です。
ちなみに、野菜関連の資格は他にもけっこうあるので、合わせて紹介しておきます。
【ベジタブル&フルーツアドバイザー】
【ベジタブル&フルーツプランナー】
【野菜・果物コンシュルジュ】
【野菜コーディネーター】
コーヒーソムリエ
最近は技術の進歩により、エスプレッソマシンやコーヒーメーカーも省スペース&高機能なものが多く出回っており、色々なお店で質の良いコーヒーを飲めるようになってきました。そんな、コーヒーに関する資格が「コーヒーソムリエ」
ただ、コーヒーの資格は前述の “野菜” 以上に多くあり、難易度・主催団体・費用・の違いなどがありますので、ご自身の目的に沿ったものをお選びください。そして、ここで勉強した知識を実践の場で活かして、試行錯誤しながらさらに伸ばしていくといったイメージなので、”資格取得” というよりも、”講座受講完了の認定証” といったニュアンスの方が強いかもです。
(以下の一覧は、一部例外はありますが、上から下に難易度が上がっていきます。)
【コーヒースペシャリスト】 ~ 日本能力教育促進協会 JAFA ~
【コーヒープロフェッショナル】 ~ 日本技術開発協会 JASDA ~
【カーサバリスタ】 ~ 日本能力開発推進協会 JADP ~
【コーヒーマイスター】 ~ 日本スペシャルティコーヒー協会 ~
【コーヒーコーディネイター】 ~ 日本創芸教育グループ ~
【JBAバリスタライセンス】 ~ 日本バリスタ協会 ~【Qグレーダー】 ~ 米国スペシャルコーヒー協会 SCAA ~
【コーヒーインストラクター / コーヒー鑑定士】 ~ 全日本コーヒー商工組合連合会 ~
※「コーヒーインストラクター」は3級~1級があり、その上位資格が「コーヒー鑑定士」
ちなみに、資格とは違いますが、コーヒー系のスキルで自分の経歴にプラスになって箔がつくものとしては、バリスタの大会で受賞されるのも効果的です。
調理師免許
これまでは、どちらかというと飲食店の中でもホール職の人の資格が多かったかもですが、こちらは完全にキッチン職の人のための資格。
調理師免許がないと飲食店の開業は出来ない、なんて思われる人もいるかもしれませんが、世の中の飲食店で調理している人の全員が調理師免許を持っているわけではありません。(世の中の美容師さんが、100%美容師免許を持っているのと混同しやすいですね)
この調理師免許は国家資格で、調理に対する正しい知識を習得している事を証明する資格です。調理師免許がないと飲食店で調理できないわけではありませんが、食に対する基礎知識を習得している事の公的な証明として、また新人調理師さんへの教育にも活かせる点は信頼の証となりますね。
取得における必須知識は、衛生学・食品学・栄養学・調理理論・食文化などで、前述の飲食店開業に必須となる「食品衛生責任者」に求められる知識と通じているので、調理師免許を取得している人は、食品衛生責任者の講習を受けなくても、申請のみで食品衛生責任者の資格も取得できます。
管理栄養士
こちらも国家資格となる管理栄養士。この資格は飲食店の現場でその知識を発揮というよりも、飲食関連のお仕事の中で活かしていける資格かと思います。もちろん、飲食企業でもメニュー開発などで力を発揮できると思いますが、最も馴染みのあるところだと学校給食や社員食堂などではないでしょうか。病院での食事の献立を検討する事も出来ますね。
まぁ、お仕事以上に自分や周りの人の普段の食生活にもとても役に立つ大切な知識となりますよね。
ちなみに、「栄養士」という資格もあり、簡単に言うと健康な人への食事の提案を行える資格ですが、こちらは国家資格ではなく「管理栄養士」の方が難易度が高く、その活躍の場も広い資格となります。
おわりに
いくつかの資格を紹介してきましたが、ご興味のわくものはありましたでしょうか。
ご自身のキャリアアップに、ぜひ資格取得を目標にしてみてください。
ちなみに、今回紹介した資格は、知名度やキャッチ―さによるお客様への影響力や、取得の難易度などを考慮して、効率的に取得できそうな資格を紹介させてもらっております。
また、資格取得において重要な部分でもあるのですが、試験合格後に資格を保有するための維持費用が必要かどうかも気にしてみてください。試験にかかる費用だけではなく、資格を保有し続けるのに費用がかかってくる場合も多くあります。収入アップを期待して資格を取得しても、収入増以上に維持費用がかかってしまうと元も子もないので、ランニングコストの確認も要注意です。
取得や維持にお金がかかったりもしますが、専門的な知識が増えて、その知識をもとに日々の仕事を行っていくと、より大きな経験値を手にすることが出来ると思います。
資格取得をきっかけにより楽しんで仕事が出来るようになると良いですね。
今回もありがとうございました。
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