「フランチャコルタ」、、何となく聞いた事ある単語ではないでしょうか。
フランチャコルタは、イタリアで原産地名称保護の最高ランクに認定されるスパークリングワイン、なのですが、スパークリングワインって、シャンパンのことじゃないの??
他にも、カヴァとかスプマンテとか、いろんな名前を聞くけど、何がちがうの??
と、疑問に思う人も多いと思います。
という事で、今回はたくさんあるスパークリングワインの名称に関してお話させてもらいます。
食事にいった時や、ワインショップでスパークリングワインを選ぶ時などの参考になればと思います。
という事で、まずはそもそものスパークリングワインについてお伝えします。
スパークリングワインの種類
スパークリングワインとは?
おそらく “シャンパン” という単語の方がイメージしやすいかと思いますが、スパークリングワインは字のごとく、発泡性のあるシュワシュワ(スパークリング)としたワイン(ワイン)の事です。
スパークリングワインのカテゴリーの中に、シャンパンが入ってくるので、シャンパン=スパークリングワインで間違いないのですが、「シャンパン」はフランスのシャンパーニュ地方という地域で特定の条件を満たして作られたもののことを指します。なので例えば、”日本で作られたスパークリングワイン” はありますが、”日本で作られたシャンパン” というものは、この世に存在しません。
同じように、国や地域によって特定の呼び方をするスパークリングワインがあり、”フランチャコルタ” もそのうちの1つです。
特定の呼び方をするスパークリングワイン
以下に、特定の呼び方をするいくつかの国のスパークリングワインを紹介します。スパークリングワインは色々な国で生産されているのですが、特定の呼び方をするスパークリングワインはヨーロッパのものばかりですね。
ちなみに、「スパークリングワイン」はアルファベット表記の “英語” なので、フランスやイタリアなどそれぞれの国の言語があれば、その国ごとのスパークリングワインを意味する単語があります。
ちなみに、日本語で表すとするならば「発泡性果実酒」「発泡性のある果実酒」「発泡性のあるブドウのお酒」といった感じでしょうか。
イタリア
イタリアのスパークリングワインには、たくさんの呼び方があります。
スプマンテ
イタリアで作られるスパークリングワイン全般のことは「スプマンテ」と呼ばれます。なので、以下に出てくるものは全て “スプマンテ” でもありますね。
ちなみに、スプマンテの基準よりも発泡性が低い弱発泡ワインの “フリッツァンテ” というものもあります。
・プロセッコ
イタリア北東部のヴェネト州の一部地域で特定のブドウ(主なものは “グレラ”)を用いて作られるスパークリングワイン。2次発酵はシャルマ方式と呼ばれるタンクを使用した方法で行われます。
世界三大スパークリングワインの1つでもあり(他の2つは、シャンパンとカヴァ)、キリっとした味わいの多いシャンパンに比べると、ほんのりと甘さを感じるものが多いので、お酒が苦手な方でも飲みやすいかと思います。
・フランチャコルタ
北イタリアのロンバルディア州東部にあるフランチャコルタ地方で瓶内2次発酵により作られるスパークリングワイン。
使用するぶどう品種や熟成期間などからいくつかのランクがあり、ぶどうの収穫から出荷までの期間が総じて長いものが多く手間をかけて作られているため、イタリアを代表する高級スパークリングワインとされる。
シャンパンに比べて生産量が少なく、そのほとんどがイタリア国内で消費されるため世界的にあまり飲まれることの少ないスパークリングワインでもありますが、輸出量のトップは以外にも日本です。そのため、目や耳にする機会もあるかと思いますが、イタリア最高峰のスパークリングワインを楽しめるチャンスがあるのでぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
・アスティ
イタリア北西部のピエモンテ州で作られる甘口のスパークリングワイン。低めのアルコール度数で作られることが多く甘口でもあるためアルコールが苦手な方でも飲みやすいスパークリングワイン。アスティは全て、モスカートビアンコという単一のぶどう品種から作られる。
・ランブルスコ
イタリア北部のエミリア・ロマーナ州を主な産地とするスパークリングワインで、そのほとんどがスパークリングワインとしては珍しい赤のスパークリングワイン。
使用するぶどう品種はランブルスコ種。ランブルスコ種には100種類ほどの種類があり、その味わいの違いにより甘口から辛口まで多くの種類が作られているが、アルコール度数の低い微発砲のタイプが多いので気軽に楽しめるスパークリングワイン。また、ランブルスコ種のぶどうはたくさんの実がなるという特性から生産数も多くなり、リーズナブルにも楽しめる。
・ブラケットダックイ
イタリア北西部にあるピエモンテ州で、ブラケットという土着品種の黒ぶどうから作られる赤の微発砲スパークリングワイン。イタリアワインの格付け最上位である「DOCG」に認定されており、デザートワインとしても人気。生産量も少なく主な流通はイタリア国内ではありますが、日本でも飲めますので是非。
フランス
お次はフランス。シャンパンが世界的にも有名ですね。
ヴァンムスー
「ヴァンムスー」は、フランス語でスパークリングワインの意味。「ヴァン」は “ワイン”、「ムス―」は “泡”、の意味なので、そのままですね。
・シャンパーニュ
スパークリングワインの代名詞ともいえるシャンパーニュ。フランス語で 「シャンパーニュ」、英語では「シャンパン(シャンペィン)」です。
フランス北東部(パリの東の方)にあるシャンパーニュ地方で、いくつかの既定に沿って作られたスパークリングワイン。その規定には、使用するブドウの品種、熟成期間、製造方法、などがあり、トラディショナル方式と呼ばれる、瓶内2次発酵は同時にシャンパーニュ方式とも呼ばれる。
色々な味わいのシャンパンがありますが、基本的には、キレのあるシャープな酸味と、きめ細かい泡立ち、芳醇な香り、などが特徴で高級なイメージが強いですね。
・クレマン
シャンパーニュ地方以外で、瓶内2次発酵のシャンパン方式で作られるスパークリングワイン。
シャンパンよりも短い熟成期間によってフレッシュな味わいとなり、使用可能な品種も多いので地域ごとに特徴の異なる味わいが楽しめるなど、高い品質を保ちながらも、比較的リーズナブルに楽しめるスパークリングワインです。
「クレマンドロワール」「クレマンドブルゴーニュ」など、作られる地名が “クレマン” の後に入ります。
ペティアン
ガス圧の違いにより、ヴァンムスーの他にペティアンと呼ばれるスパークリングワインもあります。
ヴァンムスーが3気圧以上であるのに対して、ペティアンは発泡性の弱い1~2.5気圧となります。
製造方法も先に紹介しているシャンパン方式とは異なる、アンセストラル方式という方法で作られます。
近年、”ナチュール” と呼ばれる自然派ワインが注目されておりますが、「ペットナット(ペティアンナチュラル)」という、ナチュールのスパークリングワインも目にすることが増えてきました。ペットナットはフランス以外の地域でも広く作られて流通しており、味の特徴は様々でもありますが、微発砲の柔らかい味わいのスパークリングが好きな方にはおススメです。
スペイン
エスプモーソ
スペインのスパークリングワインは「エスプモーソ」と呼ばれます。
・カヴァ
スペインで作られるスパークリングワインの中で、生産地域や生産方法に決まりのあるもの。主にカタルーニャ地方を中心に、シャンパンと同じ瓶内2次発酵で作られます。
世界3大スパークリングワイン(カヴァ、プロセッコ、シャンパン)の1つでもあり、世界での出荷量も3位なので、日本でも良く目にしますね。
ドイツ
シャウムヴァイン
ドイツのスパークリングワインは「シャウムヴァイン」と呼ばれますが、こちらの単語はあまり馴染みがないかもですね。ソーセージを連想させるような名前でもありますが、フランスのヴァンムスー同様、「シャウム」は “泡”、「ヴァイン」は “ワイン”、とそのままの名前です。
・ゼクト
シャウムヴァインの中でも一定の基準を満たしたものがゼクトですが、フランスのAOCなどのような一定の地域に限定されたり、使用品種の制限も特にありません。
また、製法に関しても基本的には特に決まりがなく、シャンパン方式の瓶内2次発酵から、タンクで2次発酵を行うシャルマ方式などいくつかの方法で作られるのですが、品質の底上げとブランド力強化のために製法などに厳格な規定を設けた格付けもあります。
ペールヴァイン
イタリアの「フリッツァンテ」、フランスの「ペティアン」と同じように、ガス圧の低いスパークリングワインの事で、ガス圧は1~2.5気圧。
ちなみに、ドイツはスパークリングの生産量が世界3位なのですが、国内消費量は世界一と、ドイツの人たちが国内でほとんど飲んでしまうようなので、日本ではあまり見かけないかもですね。
おわりに
ヨーロッパのいくつかの国のスパークリングワインの名称を紹介させてもらいました。
ややこしい名前も多く、けっこう混同してしまいますよね。
ちなみに、英語圏では「スパークリングワイン」の他に「バブリー」なんて単語も使われたりします。日本では「泡」なんて表現する人もいますね。
レストランやお店での、スパークリングワイン選びのご参考になれば幸いです。
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