飲食店でアルバイトされたことありますでしょうか。
働く中でスタッフの皆が使っている特殊な単語に戸惑った経験ありませんか。
ん、デ、デシャップ、、??
ん、、バス??
今回は、そんな飲食店特有の、良く使われる単語をいくつか紹介させていただきます。まぁ、飲食店に限らずどんな業界でもあり得る話ですが。一般企業でも横文字ビジネス用語がたくさんありますよね。ビジネス用語で使われるようなものが、同じように、あるいはちょっとニュアンスを変えて使われたりもするのでその辺も解説させていただきます。
アルバイト初心者の方や新卒で飲食業に就職する人などは参考になるかもしれませんね。
それではさっそくいきます。50音順で紹介していきますね。
デシャップ?バス? 特有の飲食業界用語 かんたん解説
アイドルタイム
“作業の行われていない時間” の意味をもつ単語で、飲食店では、ランチ営業終了後からディナー営業開始までの一時的にお店をクローズする時間帯の事を指したり、営業中の時間であっても、忙しい時間を指す “ピークタイム” に対して、お客様の少ないスタッフが比較的手の空く時間帯のことを “アイドルタイム” と呼んだりします。
英語の『idle』 (働いていない / 怠けた / 暇な ) などの意味を持つ単語を語源としており、メディアで活躍する女性アイドルなどを指す『idol』とはスペルが違うのでお気を付けください。
アサイン
ビジネス用語でも使われるアサインですが、「任命する、割り当てる」といった意味合いで飲食業界でも同じように使われたりします。
主に、客席を各ゾーンごとに分けて複数人のスタッフでお客様を担当するような中程度から大型店舗などで、その日のスタッフの各役割や担当場所を決定する時に使われることが多いです。小規模店舗であれば、キッチン・ドリンク場・仕込み場・レジ・入り口などのポジションを1人が兼任する事も多いと思うので、その場合でも1人が行う役割をどこからどこまでと明確にして円滑にお店が回るようにするためのポジション決めにおいて使われたりします。
アサップ
こちら、ビジネス用語でもよく使われますが、主にレストラン系の飲食店でも使われたりします。
ずばり英語の「As Soon As Possible」(出来るだけ早く)の頭文字をとって『ASAP(アサップ)』なのですが、意味もそのままで『早く!』ですね。
主に、オーダー漏れやオーダー間違いなどで料理提供が遅延した場合に早く作ってほしい時、ホールからキッチンへ「アサップでお願いします」などと使われます。また、お客様からの要望で「時間がないから料理を早く出してほしい」などと言われた時にも同様に使われ、キッチンの人はこれを言われると優先的に作ります。
アラカルト
フランス語から来ている “a la carte (アラカルト)” は “メニュー表に従う” という直訳で、単品オーダーの事を言います。すでにメニューが組まれている『コース料理』に対して、メニュー表から単品で好きなものをオーダーする場合に使われますね。
インフルエンサー
こちらはそのままの意味合いで、SNSなどで世間に与える影響力が大きい人の意味の “インフルエンサー”です。ただここでは飲食業界においてなので、第三者的な立場でお店を魅力的に紹介してくれる人 “グルメ系のインフルエンサー” を限定して指します。以前の宣伝方法は、TVや雑誌などのメディアでお店を取り上げてもらうことがほとんどでしたが、最近は、グルメ系のインフルエンサーに有償でお店の紹介をしてもらう、などの宣伝方法を行うお店も多いですね。もちろん、お店からの依頼ではなくナチュラルな口コミとしてインフルエンサーがお店の評価をしてくれることもありますが。
OJT (オージェイティ): OFFJT (オフジェイティ)
こちらもビジネス用語でよく使われると思いますが、意味もそのまま、実務経験の中での教育 (On-the-job-training オージェイティ)と、実務を離れたシチュエーションでの教育 (Off-the-job-training オフジェイティ) の意味です。
飲食店においては、接客や調理などに対して教育が行われると思いますが、接客においては、まずお客様のいない場所でお客様を想定した受け答えの練習をし(OFFJT)、その上で実際に接客の中で(OJT)スキルを磨いていく、といった流れになりますね。調理においても、まずはやり方を見せて練習用の試作をして(OFFJT)、合格なら実際にお客様に出す料理を作って(OJT)、その中でも学んでいく、といった流れですね。
「OFFJT」では、先輩がお客様役を担って実際の接客の練習をする「ロールプレイング (略してロープレ)」が行われることも多いです。
カスター
聞きなれない言葉だと思いますがよく目にしているもので、お店のテーブルの上に置いてある『調味料入れ』や『ナプキン立て』『爪楊枝立て』などの、卓上の小物類の事を指します。
「カスター補充しておいて」みたいな会話がなされますね。
カトラリー
“カスター” と混同してしまいそうですが、こちらは、『ナイフ』『フォーク』『スプーン』の食事をする時に使用する道具の事を指します。基本的には洋食における言葉なので、お箸は含まれないのですが、細かく定義づけられているわけでもないので、お箸も含めて言われている場合も多々あります。ただ、調理をする時に使う “包丁” のことは指しませんのでご注意を。
シルバー
前述の「カトラリー」と全く同じで主に『ナイフ』『フォーク』『スプーン』の事を言います。”カトラリー”よりも “シルバー” の呼び方のほうが、より飲食業特有の単語ですね。ナイフなどは銀色である事が多いので単純に見た目の色から名付けられていますが、お店によっては木製のカトラリーの事も “シルバー” と呼んでいるケースもあると思います。まぁその場合、”銀色” じゃない点に少々違和感は感じますが。。
タイト
英語の “tight (ピンと張った、締まった、きつい)” からくる言葉で、主に以下のようなケースで使われます。
●お客様が利用するテーブルが狭い時(4名席に5名様のご案内をする場合とか)
●お客様のお店を利用する時間が短い時(通常2時間程度で案内しているが1時間半の利用しか出来ない席とか)
デシャップ
厨房(キッチン)で作った料理を客席(ホール)に出すために料理を受け渡しする場所、またはその場所を担当する人の呼び名です。言葉の由来は、「Dish Up (ディッシュアップ) 」なので、単語の意味を考えるとイメージしやすいですね。
特に大規模なレストランの場合に重要となるポジションで、料理の品質管理を行ったり、お客様のオーダー内容や食事の状況に応じた料理の提供順序をコントロールしてお店が円滑にまわるように監督します。大規模なお店だと、ホール側とキッチン側に1人づつデシャップ担当がいる事もあり、料理の遅延やオーダーミス、お客様の好みに応じた調理工程の変更など、イレギュラー発生時にコミュニケーションを取り、各担当に的確な指示を出して立ち回ります。小規模なお店だと選任のデシャップ担当が必要ないケースもあるので、料理が出来上がってくる場所としてデシャップは存在しますが、その場合はお店全体を見ている人がデシャップ業務を兼務といった感じですね。
バス (バスボーイ)
飲食店で、お客様のオーダーをとったりテーブルごとの進捗を管理して気遣いの仕事 (サービス) を行う人を、サービスマン、ウェイターなどと呼ぶとして、その人の仕事のサポート担当がバス (バスボーイ)です。お店の環境によって多々変わってくるかと思いますが、主な仕事は、テーブルの片づけやテーブルのリセット、備品類の準備などで、料理提供を行う場合もあります。半分裏方みたいな感じですね。
語源は、お客様のテーブル上から不要なお皿や食器などを下げる作業の “バッシング” から来てます。言葉の意味そのままで、バッシングする人が「バス」ですね。
簡単な作業の繰り返しでも成立するので、単純作業のみを行ってもらうために初心者やサービススキルの乏しい人が担当する場合もありますが、単純作業だけではなくサービスマンのサービスを最大限活かすためのサポート役として、お店全体をみれるスキルの高い人が担当する場合もあります。
ラウンド
主にホールスタッフ間で使われる言葉で、各テーブルの状況やお客様が欲しているものに気付くために、担当エリアを歩き回ることを言います。受動的なサービスではなく、能動的なサービスを行うためには必須作業なのと、よく飲食店へのクレームにある「必要な時にスタッフがいない」みたいなお客様の不便を解消するためにもとても重要です。
細かくあげていくとさらなる数の単語が出てきて収集がつかなくなりそうなのでいったんここらで閉めさせていただきます。
ちなみに、上記で紹介してきた内容ですが、お店によって独自の違った意味で使われているような場合もあるので、あくまでも参考として捉えてください。特に、トイレを表す隠語などは、お店によってかなり変わってくるかと思いますので。
それでは、楽しい飲食ライフを。
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