みなさんテキーラお好きでしょうか。ある一定の年代の人たちには罰ゲームのお酒、といったイメージが強いのではないでしょうか。。ショットでグイっと飲むような。
まぁ、そんな飲み方があるのもテキーラの特徴の一つですが、実はテキーラはもっと深く味わって美味しく飲んでもらいたいお酒でもあり、そんなテキーラは意外とたくさんあるのです。
そして、そんな美味しいテキーラの話をする時によく出てくる単語が ”アガベ (agave)”
日本では聞きなれない単語なので、「植物の名前」なのかな、ん、、「神様の名前」っぽくもあるな、みたいに感じるかもしれません。はい、植物、が正解です。
すごく無責任に言うとサボテンなのですが、「リュウゼツラン」と呼ばれる中南米原産の多肉植物です。
と、いう事で早々にアガベの答えは出ましたが、今回はテキーラに関するあれこれをお話しさせてもらいます。また、是非飲んでみてもらいたいおすすめのテキーラも紹介させてもらいますね。
アガベってなんだろう
アガベとは
先ほどもお伝えしましたが、「アガベ」は中南米原産の多肉植物です。多肉植物なのでサボテンのような見た目ですが、とげの生え方や位置がサボテンとは異なります。またお酒の原料として考えると、アガベは葉の内部に ”糖” を多く蓄える特徴があるのでお酒造りに適しています。一方、サボテンが葉(というか茎) の内部に蓄えるのは主に “水” で、酵母がアルコールを作るための糖が少ないので、お酒造りには向きません。
ブルーアガベ
アガベの話の中でさらに出てくる単語が「ブルーアガベ」
ん?、、アガベの中にもいくつか種類があるのかい??
みたいに思いますが、その通りです。アガベには200を超える品種があるとされるのですが、テキーラの原料として使用できるアガベは一種だけ。それが「ブルーアガベ」です。
そもそも、『テキーラ』という名称は、シャンパンと同じような “原産地呼称制度” で保護されているお酒なので、使用できる原料に縛りがあります。その原料が「ブルーアガベ」ですね。
このブルーアガベを51%以上使用したものは “テキーラ” と名乗れます。
ちなみに、テキーラを名乗るための条件は以下です。
●ハリスコ州、グアナファト州、タマウリパス州、ナヤリ州、ミチョアカン州のテキーラ5州と呼ばれる州で育成されたブルーアガベを使用する事。
●上記のテキーラ5州で蒸留されたものである事。
【主原料要件】
●原料として、アガベアスールテキラーナウェーバー(ブルーアガベ)を51%以上使用する事。
プレミアムテキーラとミクストテキーラ
テキーラとなる条件は、原料にブルーアガベ51%以上を使用する事なのですが、51%と言わず、100%ブルーアガベで作りました、というテキーラは “プレミアムテキーラ” と呼ばれます。ちなみに、100%ブルーアガベのプレミアムテキーラに対して、51%以上のブルーアガベと、その他サトウキビなどのブルーアガベ以外の原料を使用したテキーラの事を “ミクストテキーラ” と呼んで区別したりもします。
プレミアムテキーラとミクストテキーラ、シンプルに考えて名称的にもプレミアムの方が良い印象がもちろんありますが、ミクストにはミクストならではの良さもあります。例えば、ブルーアガベ以外の原料を使用する事により独特な味わいを作り出すことも出来るので、特徴のあるテキーラを作りやすい、というミクスト独自の味わいを楽しめる事もあります。金額的に言うと、もちろんプレミアムテキーラの方が高価なモノが多いので、安価に買う事の出来る点はミクストの大きなメリットでもありますね。
メスカル
ちなみに、ブルーアガベ以外のアガベからもお酒が造れたり、上記のテキーラ5州以外の地域でもテキーラ同様のブルーアガベを原料とするお酒が造られたりするのですが、その場合に出来たお酒は “テキーラ” とは名乗れないので、ずばりそのまま「アガベスピリッツ」と呼ばれたりします。そんなアガベスピリッツの中でもまたまた特定の条件を満たすものが「メスカル」と呼ばれます。その条件は、指定されたメキシコの10州(テキーラ5州もいくつか含まれてます)にある約1000ヵ所の市町村で育成したアガベを原料に、それらの地域で製造・蒸留したものであること、などがあります。ちなみに、テキーラはブルーアガベ以外にサトウキビなど他の植物を一部使用したりしますが、メスカルは他の植物を原料とせずにアガベのみ(数種類のアガベを使ったりする)で作られます。
また、原料だけでなく製法の違いによりテキーラに比べてスモーキーな味わいのものも多いです。テキーラは原料のアガベを間接的に加熱して糖化しますが、メスカルはアガベを直火で蒸し焼きにすることから燻煙によりスモーキーな味わいがつきやすいのです。
プラタ・アネホ・レポサド
テキーラに話を戻しますと、原料の違いによりミクストとプレミアムとの区別がありましたが、この区別以外にも熟成期間などによる区別から以下の5つのタイプがあります。
・熟成を行わない、あるいは60日未満の熟成期間のもので透明のもの。※無色の規定はないがほとんどは無色透明
【ゴールド】
・プラタにレポサド以上のものをブレンドしたもの。
【レポサド】
・2か月以上、1年未満の熟成期間。容量の規定は特にないオーク樽による樽熟成。
【アネホ】
・1年以上、3年未満の熟成期間。600L以下のオーク樽による樽熟成。
【エクストラアネホ(ウルトラエイジドとも呼ばれる)】
・3年以上の熟成期間。600L以下のオーク樽による樽熟成。
熟成期間が長いものの方がもちろん 価格は上がります。ただ、味の好みはひとそれぞれなので、アネホよりもプラタの方が好きという人ももちろんいます。食事に合わせる場合はコレ、とか、他の飲料と合わせて飲んだりする場合はコレ、などシーンによって適したものも変わってくるので奥が深いです。
と、アガベから作られるいくつかのお酒(アガベスピリッツ)に関してお伝えしてきましたが、ここからはその中でも、ブルーアガベ100%で作られるプレミアムテキーラに焦点をしぼりおススメを紹介していきたいと思います。
おすすめのプレミアムテキーラ 6選
ドン・フリオ 1942
まずは、プレミアムテキーラを語る際には定番とも言える「ドン・フリオ」
フリオゴンザレスさんが1942年の17歳の時に融資を受けてテキーラ蒸留所を作った、という、マネーの虎を思わせるパワフルな誕生エピソードをもつテキーラ。
一般的に酒屋さんなどで見かけるのは、ちょっと背の低い茶色い瓶の “レポサド” や “アネホ” だと思いますが、ここで紹介したいのはもう一ランク上の「ドン・フリオ 1942」
そびえたつタワーのような上品なブラウンの背の高い三角錐のボトルは高級感があって見ていてテンション上がります。ただ、バーなどのお店では、その背の高さから飾り棚の高さに入りきらない、、、といった残念な思いをした人もいるかと。。
2年~2年半の樽熟成なので分類的にはアネホに入りますが、ドンフリオ アネホの樽熟成は1年半なので、半年から1年くらい熟成期間が長くなります。その分まろやかさが増している印象があるので、個人的には常温ストレートでゆっくりと飲んでもらいたいテキーラです。
また、今は終売になってしまって手に入れる事は大変難しくなってしまいましたが、1942を上回る3年熟成の「ドン・フリオ レアル」というものも、かつてありました。ラウンドテーブルの化粧箱や、ハクション大魔王のツボのような形(ディスっているわけではないです、、すみません。。)のボトルなど、インパクトの大きすぎる見た目も大きな特徴ですが、味わいもとてもスムースで、これぞプレミアムテキーラ、と言える逸品でした。
パトロン レポサド
お次も “ザ・プレミアムテキーラ” と言える安定の一品で、プレミアムテキーラの名前を世に広める立役者となったテキーラです。プレミアムテキーラという存在や名前があまり認知されていない頃に、ハリウッドセレブが注目しパトロンを紹介した事で認知が広まりました。ちなみに、パトロンではありませんが、セレブたちは後に自身がプロデュースしたオリジナルテキーラを販売したりしたので、これもプレミアムテキーラの名を広める一因になっています。
パトロンのおススメは高級シルバーテキーラのプラチナが紹介されることが多いのですが、パトロンの味わいの特徴にあるハチミツのニュアンスをより感じられるのはレポサドかな、と思うので個人的にはレポサド推しです。レポサドの方がお財布に優しい点でもおススメです笑
クエルボ1800 アネホ
日本人で「テキーラと言えば??」の問いに対して真っ先に思い浮かぶのは “クエルボ” ではないでしょうか。”クエルボ” と聞くと、黄色いラベルの四角い瓶を思い浮かべる人が多いと思いますが、中には、もうちょっと重厚な縦に長い台形の茶色いラベルの瓶を思い出す人もいると思います。どちらも、クエルボのテキーラで間違いないのですが、黄色いボトルの方は「クエルボ エスペシャル」でブルーアガベ以外の原料も使用して作る “ミクストテキーラ” なのに対して、縦長台形ボトルの「クエルボ1800」は100%ブルーアガベで作られる “プレミアムテキーラ” です。
ちなみに、「クエルボ1800」といって思い浮かびやすい、茶色ラベルのボトルは “レポサド” なのですが、ここで紹介するのは同じ瓶の形で、黒ラベルの “アネホ” です。このアネホを若干冷やしてストレートで飲むのがおススメです。
また、クエルボ1800には、「クエルボ1800 クリスタリーノ」という透明のテキーラもあるのですが、これはシルバーとは違い、樽熟成したテキーラを特殊なフィルターでろ過することで透明にしたというテキーラです。樽熟成も経ているので、特有のまろやかさがありながらもスッキリとした口当たりもあるので、ストレートはもちろん、ハーフロックやハーフソーダもおススメです。
カー 新ボトル
テキーラに限らず、特徴的なボトルデザインのお酒はけっこうありますが、この「カー」はインパクト大のスカルモチーフのボトルが特徴で、一度見たら忘れられないデザインです。
ただ、スカルヘッドのボトルはどうやら生産終了してしまったようで、現在 (2026年時点) は、瓶にスカルモチーフのデザイン(メキシコの”死者の日”のお祭りで顔に施すペイントのような)が彫られており、これまたインパクト大です。
ちなみにボトルデザインが変わっても、中身は変わらずで、そのデザインの通りと言ってよいのか、まろやか路線よりはちょっと野性味あふれる味わいで、テキーラらしい楽しみ方のライムと一緒に飲むのにもおススメです。
ポルフィディオ (テキーラじゃなくてアガベスピリッツ)
細長い瓶の中にサボテンの形した可愛いオブジェがあるボトル、見た事ありますか。あれがポルフィディオです。
ちなみに、こちらの商品は、ブルーアガベ100%原料なのですが、CRT(テキーラ規制委員会)というメキシコ政府公認機関の認可をうけていないので「テキーラ」は名乗れず「アガベスピリッツ」というお酒になります。
独自路線で製造を続けるポルフィディオは流通量がさほど多くないので、最近は目にする機会も減ってしまい、価格も高騰してしまいがちですが、樽熟成による上品な味わいや、通常テキーラでは行わない製造方法によるテキーラらしからぬ味のニュアンスが楽しめるツウな一品です。
『ポルフィディオ スアヴェ』は、加水によりアルコール度数を約25%に調整した優しくまろやかな味わいのお酒で、アルコールの強さが弱い分、アガベの甘みをゆったりと感じられます。ちなみに、”スアヴェ” はスペイン語で「優しい」という意味です。
クラセアスール
最近プレミアムテキーラを探していると目にすることの多い「クラセアスール」
特徴的なボトル(ブランド内でデキャンタと呼ばれています)がとても印象的で高級感が半端ないです。というか、実際に高価なアイテムが多くまさにプレミアムテキーラ。成功者の方向けの高級テキーラですね。
テキーラだけでなく、メスカルも常時アイテムとして揃えており、アガベスピリッツの味わいを幅広く楽しめるラインナップで、ボトルもカッコ良い色のものが多いのでコレクションしたくなります。個人的には、プラタをベースにレポサドとアネホをミックスした「ゴールド」のボトルが一番お気に入りです。
アジア初の専門ブティックが恵比寿にあり試飲も出来るので、購入意思のある人は行ってみても良いかと。
全ラインナップ飲んでみたいですが、そんな日は来るのか笑
いくつかのプレミアムテキーラを紹介させてもらいましたがいかがでしたでしょうか。
まだ、『ミクストテキーラは飲んだことあるけど、プレミアムテキーラはまだ飲んだことがない』という人はぜひ試してみてください。テキーラのイメージが変わってお酒の楽しみ方の幅が広がると思います。
こだわりのお酒を造る人は世界中にたくさんいらっしゃるので、今後もテキーラだけではなく色々なお酒を紹介していけたらと思います。


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