飲食業の “サービス” はお客様が喜んでこそ

※当サイトではアフィリエイト広告を使用しております

飲食店 現場体験記

『サービス』

様々な意味合いがあると思います。

誰かのために何かを行うこと、他者の助けになること。無形の財や価値あるいは労役などを提供すること。奉仕。用役。尽力。提供。  (引用:実用日本語表現辞典

検索すると上記のように出てきたりします。

飲食業において “サービスする” という事は、まさに「誰かのために何かを行うこと」だと思いますし、特に “サービス” に重きをおくようなお店は「無形の価値を提供すること」も目指していると思います。

そして、お客様がその “価値” に満足して喜んでくれたら、そのお店の “サービス” は成立した、と言えるのではないかと思います。逆に、お客様が喜んでいなかったら、”サービスした” とは言えないのではないかとも思います。

ちなみに、お客様が飲食店に求めて満足につながるモノも様々だと思います。

 

「おいしさ」「価格のバリュー感」「接客の良さ」「雰囲気の良さ」「扱うメニューの物珍しさや斬新さ、楽しさ」「高級感」「非日常感」「料理する手間や準備、後片付けをしなくて良いという面倒のなさ」などなど。

 

これらの1つだけで満足を感じてもらえる時もあるかもしれませんが、ほとんどの場合は、いくつかの要素が合わさって、お店の価値となり、お客様の満足につながるのだと思います。

そして、これらの満足を得た時に、お客様は飲食店を利用して喜んで帰られます。

そうなって初めてそのお店のサービスが成功した、サービスが受け入れられた、と言えると思います。

 

今回は、そんな『サービス』に関して、その中でも特に “接客の良さ”という部分、お客様とのコミュニケーションに関してお話しさせていただきます。

「良い接客」とは

「接客」 字のごとく “お客様と接する” という事で、お客様との会話など、コミュニケーションに関するお話しをさせていただきます。

絶対とは言えませんが、以下のような時にお客様は “良い接客だな” と感じてくれると思います。

●料理やドリンクなどメニューの説明が丁寧
●各料理のボリューム感などの説明をしてくれて、適性の量を提案してくれる
●好き嫌いや嗜好などをヒアリングして、おすすめを提案してくれる
●料理提供のタイミングが良い
●オーダーをしたい時に近くにいてくれる
●食材や料理などの、飲食店において必要な知識が豊富
●要望や相談に応えてくれる
●言葉にしない要望を汲み取って対応してくれる
●テーブル上の変化に良く気付いてくれる
●先回りして準備を行ってくれて、スムーズな食事の進行を演出してくれる
●話を聞いてくれて、自分(お客様)を肯定してくれる
●わがままを聞いてくれる
●融通を利かしてくれる
●スタッフが明るくて元気がある
●スタッフが笑顔にあふれている
●会話が上手

 

などなど、実に様々なポイントがあると思いますし、ここであげられていないモノもあると思います。

もちろん、全てを網羅して実践できる人は少ないかもしれませんが、多くのポイントで及第点をとれれば “良い接客” につながっていくと思います。

 

正直なところ、自分はお客様とのコミュニケーションが苦手で、お客様と楽しく会話をする、という事が上手く出来ませんでした。

「何を話してよいのか分からない、、」

「会話が続かない、、」

 

自分の周りには会話が上手なスタッフがおり、そんなスタッフはお客様との関係もうまく構築出来て、お客様に可愛がってもらったり、勤務時間外で食事に連れて行ってもらったりなどと、良い関係性を作れていました。

そんなスタッフを多少の嫉妬心も交じえながら、羨ましく思ったり、尊敬したりしながら、自分はどうしたら同じようなお客様との関係性を作れるのかな、自分も色んな人とコミュニケーションを取って、自分の世界を広げていきたいな、、なんて日々考えていました。

そんな事を思いながらお客様と無理に会話を取ろうとするのですが、そもそも口下手なので、変な空気を作ってしまい、お客様に気を遣わせてしまって、双方が気まずくなってしまう事が多かった気がします。。。

そして、接客に関して日々考える中で気付いたことがありました。お客様とのコミュニケーションが苦手な方や、大学生のアルバイトスタッフなどの、年上の人達とコミュニケーションを取る事に慣れていない若い方々が、コミュニケーションを取りやすくなるための第一歩として参考にしてもらえればと思います。

 

『お客様とコミュニケーションを取るために、まずはお店の商品についてとことん詳しくなる』

 

すごくシンプルで当たり前の事になりますが、やはりこれに尽きると思います。

特に、話題作りに困るような人や、話題作りのために何をして良いか分からない人などは、真っ先に取り組むべきことかと思います。

飲食店に来るお客様の興味のほとんどは、
「どんなものが食べられるのか」だと思います。

実際に長年、接客を行ってきた中で、(当たり前ですが)最もスムーズにお客様とコミュニケーションが取れて、しっかりとコミュニケーションが成立するのは、商品の説明でした。

 

「メニューの特徴や量感」「この料理には何の食材を使っているのか」「どういった調理工程で作られているのか」「聞きなれない食材や調理法などはその言葉の意味を」「国内でも海外でも土地に根差したようなメニューはその成り立ちや歴史の話しを」「お客様がオーダーしたメニュー全体からオーダーの偏りを考慮して提案する(似たようなメニューをオーダーしているので○○の方がおススメ、とか)」「シェアして食べる場合に分けにくいメニューがあれば、違うものを提案する」

 

などなど。気の利いた話の出来ない自分でも、こういったお話しをしている時は、お客様もしっかりと話を聞いてくれていた気がします。また、さらにお客様から新たな質問を受けたりと話が展開して、うまくコミュニケーションを取る事が出来ていたと思います。

なので、飲食店のスタッフは最低限、自分が働くお店に関する事は頭に入れておくべきだと思います。

また、管理者の人たちは、スタッフへの商品知識習得に関する教育環境を整える事で、 “良い接客” への道を意図的に作る事も出来ると思います。

共通の話題を持つ

当たり前の事でもありますが、人とコミュニケーションを取るためには、『共通の話題』が必要だと思います。

一般的に良く紹介される話題の種として、

「良い天気ですね」「今日は寒いですね」

など、環境に関する話題がありますね。
これらの話題は、多くの人にとって “共通” の事柄なので、多くの人と話せる話題になります。

 

飲食店という限られた空間の中での場合は、やはり「そのお店で扱っている商品に関する話題」がお客様とスタッフの間の共通の話題の第一歩として、コミュニケーションに役立つと思います。

お客様にとって、そのお店が初めての利用であったとしても、これから食事をする場所として、お客様にも関わりが出来ているので、お店の話題が共通の話題として通用するようになります。

 

ちなみに、話し始めた話題が共通のモノとならずにコミュニケーションが取れなかった、そして、変な空気になってしまった、という事も良くあります。

例えば、

「○○って知ってます?」

で始まった会話があったとして、

『知ってる。あれ良いよね』と相手から返ってくれば、

「ですよね。△△が良いですよね」となり、会話が展開していきますし、共感も得られます。

 

一方、『知らない』となった場合、

会話はそこで終わるか、別の話題になるか、その○○の説明となるか、だと思います。

その場合、話者が求めていたもの(共感や情報、会話のやり取りなど)は得られなくなります。

ちなみに、その “○○の説明” で、その○○が伝わる事もあり、それもコミュニケーションの1つと言えるかもしれませんが、どちらにせよ、得られる結果は、当初期待していた『聞きたかったこと』や、『話題の盛り上がり』とは違うものになると思います。

そして、当初期待してたものが得られない場合、多かれ少なかれ、残念な気持ちや寂しい気持ちを生んでしまいかねません。

 

飲食店の話しに戻すと、お客様から質問を受けたり、話しを振られたりした際、スタッフは最低限お店に関する事には答えられるようにしないと、お客様の “期待値という温度” を下げてしまいかねないです。

例えば、お客様がメニューに関して質問をした際に、スタッフが、

「あ、すいません、ちょっと確認してきますね」「少々お待ちください、詳しいものに聞いてきます」と、、こんなやり取りが何度も続いてしまうと、お客様のそのお店に対するワクワクはどんどん減っていくと思います。
場合によっては、クレームにつながってしまうかもしれません、、、

 

逆に、お客様の質問にしっかりと答えられて、さらに、+アルファの提案やプチ情報を伝えられると、お客様の満足度は上がると思います。

接客に慣れてきて、お店の商品知識のベースが出来ているスタッフには、商品をリンクさせた提案、

「この料理の後にはこの料理がおススメです」とか「このメニューにはこの飲み物が合いますよ」とか、1つ1つの情報から派生する情報も伝えられるようになると、お客様とのコミュニケーションはさらに盛り上がると思います。そして、そんなお客様にとってプラスになるような情報をスタッフが伝えられれば、お客様はその接客で喜んでくれるかもしれません。

ちなみに、スタッフが行った提案を、お客様が受け入れてその通りにしてくれるかどうかは、あまり気にする必要はないと思います。お客様はスタッフから受けたその情報を参考にご自身でどうされるかの判断をするので、その判断に至るための参考の1つにでもなれば、そのスタッフの提案というサービスに意味は出てくると思います。

相手(お客様)の世界を知る

“良い接客” をするために、最低限行うべき第一歩として「お店に関する知識の習得」のお話しをしました。

「接客の流れ」は、ある程度パターン化できると思いますので、知識があればある程度のサービスを行え、コミュニケーションも取れるようになると思います。また、知識の量を増やしていけば、色々なパターンの質問や要望にも対応できるようになると思います。

ただ、パターンに即してサービスを行っているだけでも、気が利いていれば、大なり小なりお客様は喜んでくれるかもしれませんが、さらにその上のつながりを得るには、それだけでは心許ないかもしれません。

 

飲食店スタッフにとって、自分のお客さんが増える、顧客がつく、という事はとても大事な事だと思います。それが働く上での ”嬉しや” や “楽しや” につながると思いますし、何よりも、”やりがい” になると思います。
(自分に会いにお店に来てくれる)なんていうお客様がいたら、それはこれ以上ない幸せな事でもありますね。

次は、そんな、自分のお客さんとなってもらえるかもしれないお客様にさらに喜んでもらうために必要となるステップアップとして、『お客様ごとの独自の関わり方』に関してお伝えいたします。

独自のサービス

お客様にはそれぞれの方が持つ “好み” があると思いますが、良くいらっしゃるお客様に対してその好みを踏まえて接客する事は自然な流れかと思います。
お客様ごとに合わせたサービスなので、様々な方法や観点があると思いますし、あるお客様に対しては正解でも、他のお客様には間違いとなってしまうようなサービスかもしれませんが、例として、

 

「お客様の好みを覚えておいて、合わせたものを提供、提案する」
➡濃い味が好きなお客様にサラダのドレッシングを通常より多めで提供する
➡アレルギー食材や苦手な食材を、前もって抜いて提供する

 

「お客様のパーソナリティーや、行動パターンを覚えておいてタイミング良く必要なものを提供する」
➡左利きのお客様に対して左利き仕様でカトラリーを準備する
➡食後にテーブルとは離れた場所でお会計するので、予め準備してスムーズに対応する

 

などなど、お客様ごとに独自のパターンやこだわりがあると思います。こういった、そのお客様にしか通じないような事柄を、言われずとも行う事で、お客様は自分だけの特別感を感じて、心地よく思ってくれるかもしれません。

ちなみに、このような特殊なサービスを1人のスタッフが行う事でそのお客様が喜んでくれて、そのお店に足を運んでくれるようであれば、そのスタッフの顧客と言えるかもしれませんが、お店全体がその特殊なサービスを行えれば、そのお客様は、お店自体の顧客となり、お店としては、より強くお客様とつながる事が出来ると思います。

SNSからお客様を知る

お客様のパーソナリティを知る事は、お客様に近づく上で必要になってくると思いますが、最近は、お店の中での会話やサービス以外でも、お客様の世界を知る事は比較的簡単に出来ると思います。

Twitter、Facebook、Instagram などのSNSを利用しているお客様も多いと思いますので、お客様が発信している内容から、話の種を探す、つながりを見つける、といった方法も効果的だと思います。

ただ、スタッフがお店の枠を超えてお客様とパーソナルなつながりを持つことのリスクもあると思いますので、その点は別途注意をはらう必要も出てくると思います。

会話したことを実行する

また、お客様との会話で出てきたものを実際に体験してみて、次回の話しの種にする、というのも効果的だと思います。お店に関する話し以外で、以下のような会話は比較的よく出てきやすい内容だと思います。

「食べ物の話し(○○を作った、△△のお店にいった、□□って飲み物知ってる?)」

「趣味の話し(映画を見た、本を読んだ、旅行に行った、スポーツをした)」

お客様と話しをした後にプライベートの時間を使って、話題に出たお店に行くとか、映画を見るとか、料理を作ってみるとか、話しに出ていたことを実際に行ってみる事で、間違いなく次回の話題になると思います。

また、スポーツは特にですが、お店以外の場所でのお客様との距離を縮めるチャンスを秘めています。

フットサル、野球、ゴルフ、ボルダリングなどなど、気に入ってもらえれば、誘ってもらえる可能性が高いですね。そんな趣味は、お客様との距離を縮める事にとても効果的だと思います。

作品を見る、聞く、読む

さらに、お客様自身が公に発表している作品を作っているケースもあると思います。

アーティストさん、作家さん、俳優さん、監督さん、スポーツ選手、などなど。

表に出る仕事の方々は、それぞれに作品等があると思うので、それらをチェックする事でその人の世界を知る事が出来、話題も作りやすいと思います。

最近は、ユーチューバーやブロガーなど、芸能人と言われるような人達でなくても、ネット上でその人の作品を見る事が出来たりもするので、SNSを確認するのと同様にお客様の世界を覗きやすくなっていると思います。

身に付けているものを観察する

こちらは、髪型などの容姿も含みますが、普段と違う部分があったり、珍しいものや派手なものを持っていたり、など、普通ではない特徴や、普段とは違う何かがある場合は、そこにフォーカスして質問したりする事で、話の種になります。

 

これらのような事でお客様との共通の話題を多少強引にでも作っていけば、会話が苦手だと思っている人でもあまり悩まずに会話の種が作れるので、コミュニケーションを取る事が出来て、より強いお客様とのつながりが構築できるかもしれません。
それが、お店だけのつながりを超えたつながりになって、自分の人生にとって良い関係になっていくと良いですね。

言い換える

何度かお会いするようなお客様とのつながりを強めるために、お客様の世界に触れる場合は次回来店時などの時間が経ってから、お客様の持ち物などの見た目に関して触れる場合はその時に、お客様に対して感想を話す機会が出てくると思います。

ここではやはり、前向きな感想を伝えたいところです。人によるかもしれませんが、多くの人は酷評を受けるよりも、褒められた方が好印象を持ってくれると思いますし。
別に、大きな嘘をついてまで褒めろ、という訳ではありませんが、前向きな感想を言ってくれる人に対して、悪印象は持たないと思います(過度な絶賛は不快感や不信感を与えてしまう事もあるかもしれませんが、、、)

 

口下手だった自分は、やはり前向きな感想を言うのがすごく苦手で(褒めたくてもうまく褒めれずに、好意をうまく伝えられないといった、、)どうすればうまく話せるのかな、と考えておりました。

そんな中、身近にいる会話の上手な人の話しや、テレビや雑誌などのメディアの会話の内容などを聞いていたら、同じような意味合いでも、チョイスする単語によって良い風に聞こえる、というものがある事に気付きました。

これらの言葉でうまく相手を褒められる、という訳でもありませんが、ネガティブな印象の言葉でも、ポジティブな印象に言い換える事により、余計な不快感を生むリスクが減る、といったところですね。

 

例えば、(人の見た目などに関する意味合いの表現が多くなりますが )

●太っている  →恰幅が良い、体格が良い
●痩せている  →シュッとしている、スタイリッシュ、手足が長い
●貧相 / 幸が薄い  →細い、スラっとしている、和風美人
●ブサイク  →個性的
●音痴  →芸術的
●元気がない / 暗い  →寡黙、落ち着いている
●うるさい  →元気がある
●卑怯  →頭が切れる
●頭が悪い  →本能タイプ、右脳派、情熱的
●冷たい  →冷静
●八方美人  →皆に気に入られる、愛想が良い
●センスがない  →個性的、独創的
●つまらない  →落ち着いている
●少ない  →多くない
●騒がしい  →にぎわっている
●閑散  →静か、落ち着いている
●ヒマ  →時間がある
●おばさん  →マダム、お姉さま、おばさま
●おじさん  →ダンディ、渋い男性
●顔が濃い  →彫が深い
●毛深い  →男らしい
●味が薄い  →優しい味、上品な味わい

 

人によって捉え方も違うので、これらの単語が相手に必ずしも良い印象を与えられるとは言いきれないですが、これらのように言い換える事で、ネガティブな印象からポジティブなもの(あるいは濁した表現、、)に変えられると思います。

また、飲食店内のお客様の会話において否定的な表現を使っていると、そのお客様だけでなく周りの人達に対しても不快感を与えてしまう可能性があるので、その辺も注意が必要かと思います。

 

上の表現の中では、”個性的” など、幅広く使える表現は言葉に詰まった時などに重宝しますね。ただ、濁した表現なので当たり前なのですが、相手には良くも悪くも取られたりするので、「個性的で良い」など “良い” といった分かりやすいプラスの意味の言葉を付け加えると、より効果的に使えると思います。

また、人の見た目を良く言う時に、「モデルさんのようですね」というフレーズも万能で使える気がします。主観ですが、言われた方は、(なんか悪い気がしない)みたいに感じてもらえると思います。

 

ただ、お客様によっては、こういった気使いの表現を全て見通した(見透かした)上で受け入れてくれるような器量の大きい人もいますし、あるいは受け入れられないケースもあると思います。

自分の世界を持っているお客様ほど、そういった人は多くいると思いますので、大前提として相手や他者に対する敬意を強く持ったうえでコミュニケーションを取らないと、誤解を与えてしまう事もあるので要注意です。

ポジティブシンキング

【ネガティブな表現をポジティブに言い換える】という観点でお話ししてきましたが、考え方のベースとしてこれを突き詰めると、さらに大きな良い影響を得られると思います。

『同じ内容の事でも見方を変えて良い意味で捉えられる』
といった意味合いを “ポジティブシンキング” と言えると思いますが、これは、人とのコミュニケーションにおいて多くの良い影響をもたらします。

また「ピンチはチャンス」というよく聞く言葉があります。危機的な状況のピンチの中でも、ある側面から見る事で希望の光を見出してチャンスに変える事が出来るといった言葉だと思いますが、「ある側面から見る事で、別の見方が出来る」という能力を養っていくと、「ピンチはチャンス」の実践につながります。

 

自分も経験がありますが、ネガティブな発言を繰り返す人の話を聞いていると、疲れてしまいますよね。負の空気をもらってしまう、というか、周りにもその負の雰囲気が伝染するというか。

よくあるのは、(何をするにも文句を言う人)(極少数の人が気にするかもしれない問題点を指摘して流れを止める人)(人の失敗や悪口が好きな人)(変化に対する柔軟性が低い人)(答えや出口の分からない事には一切挑戦しない人)などなど。

皆様の周りにもいると思いますし、時には自分自身もこういった発言や行動に偏ってしまっている事もあると思います。

そして、こういった発言や行動に触れてしまうと、その発言や行動自体が障壁となり、物事を前に進める事が難しくなってしまったり、気持ち的な部分でもモチベーションが下がってしまったり、とあまり良い影響をもたらさないと思います。

 

ちなみに、懸念点をしっかりと指摘する事は、別にネガティブではないと思います。ただ指摘するだけで問題と向き合わないで、足踏みを続けるのがネガティブで、ポジティブは、しっかりと指摘したうえでその問題と向き合ってどう解決するかを検討する事、なのかなと思います。また、問題点と向き合って1つの事柄を一旦あきらめたとしても、違う道を新たに探せている、あるいは探そうとしていれば、ポジティブだと思います。
さらに、ポジティブは “問題点を見ない” というものでもありません。大きな問題があるのに、ただそれをスルーするだけの人はポジティブシンキングではなく、ただの楽観的な人です。ただの楽観的な人は、下手したらネガティブな人よりも事故や損にあいやすいと思うのでお気を付けください。

 

という事で重複しますが、物事を前向きに(ポジティブに)考えられることはとても大事なことだと思います。

そして、お客様とのコミュニケーションにおいてはもちろんですが、それ以上に、スタッフ間のコミュニケーションにおいて特に良い影響をもたらす事になると思います。

感覚値ではありますが、以下のポイントで特にそうかなと思います。

・スタッフのモチベーションが上がる
・職場の雰囲気が明るくなる
・スタッフ同士が協力するようになる
・スタッフ間の信頼が増える
・仕事が楽しくなる

特にチームリーダーがポジティブ思考で日々前向きに頑張っていると、その影響は大きいかと思いますが、リーダー以外の人でもポジティブに頑張っている人がいれば、良い空気を周りに振りまく事が出来ます。何よりも、前向きに頑張っている人を見ると、自分も頑張らなきゃと触発されますよね。

 

さらに、そのお店のスタッフの “楽しや” や “明るさ” などの『良い空気感』はお客様にも必ず伝わります。

(なんか雰囲気の良いお店だったね)とお客様が良い印象を持ってくれれば、「また行きたい」という再来店にもつながってくると思います。何より、お客様がお店に来ることで、元気になったり、楽しく感じたりで、ハッピーになってくれれば、飲食店としてはそれが1番嬉しい事なのかな、と思います。

 

という事で、ポジティブな考え方を持つ人が多いとその影響はとても大きくなるので、かなり重要なポイントだと思います。

終わりに

お客様が飲食店を利用して喜んでくれるためのサービスに関して、接客における会話のアプローチの様々な方法や、根本的な考え方に関してお話しさせていただきました。

 

飲食業にたずさわるものとして、自分やお店の価値は何だろうと考えた時に思う事の1つは、『お客様の喜びに触れる事』かなと思います。お客様の喜びは色々な事により感じられると思いますが、スタッフの行動や気遣いでその喜びが作れれば、そこに大きな価値があると思いますし、それがここで言う “サービス” になるのかなと思います。

 

そして、お客様が喜んでくれて、さらにスタッフの事も信頼してくれるようになると、繰り返しお店を利用してくれる “顧客” といった存在になり、関係値も高まると思います。

例えば、飲食店で働くスタッフやお店の価値を測るとした時に『顧客の数』は1つの指標になると思います。もちろんその数だけで優劣が決まるわけでもありませんが、それでもスタッフやお店が行ってきたサービスで喜んでくれてリピートしてくれるお客様がいたら、個人としてもお店としても、とても誇らしい事だと思います。

 

そんな、顧客を増やしていくために、日々のサービスにおいて気にしてきた事が、これまでお話ししてきたようなことでした。

まずは、(お店の知識を得てお客様と会話をして自分のアピールを行い、、)(お客様の話を聞いて、、)また、(その話を理解するために知識の幅を広げて、、)(好奇心を持ってお客様に通ずる世界を優先的に体験して、、)(お客様を不快にさせる事のないよう前向きな姿勢でコミュニケーションを取って、、)(関係を築いていく。)

自分の経験としても、こういった積み重ねによって、お客様は自分の存在を認めてくれていったように思います。ただ、もちろん、全てが上手くいったわけではありません。自分のコミュニケーションの失敗により関係値が下がってしまったと思えるお客様もいました。

そんなコミュニケーションの失敗において原因として思い当たるのは、相手への思慮の浅さや、敬意の薄さ、があったのかなと感じます。

 

時に、たくさんのお客様が来る忙しいお店などは、お客様がお店にいらしてくれる事に対する感謝の気持ちが薄れてしまう場面もあると思います。そして、そうなってしまうと、本来はお客様優先で考えるべき事が、お店優先でお店の都合の良いように、お客様を動かしてしまう事も起こりがちです。本来はお客様のために頑張らなくてはいけないのに、必要以上に頑張らなくなる、お客様に甘えて手を抜いてしまう、といった感じでしょうか。

この点は個人的な見解ですが、特に人気店などのお客様が多く来るようなお店は、スタッフさんが優位に立っているようなサービスが見受けられる、あるいはお客様にそういった印象を与えやすいと思いますので、その点やその傾向は業界としては改めていかなければいけない点だと感じます。

 

当たり前の話しですが、お客様からの飲食代で飲食店は成り立っていますので、まずどのような状況でもお客様への感謝の気持ちは当たり前です。その当たり前の感謝と敬意を常に持った上で “接客” に向き合っていかないと、信頼は得られずに、お客様は離れていってしまうと思います。

かといって、過度にかしこまったり、へりくだった接客を行う必要もないですが、あくまでも飲食店スタッフとお客様、という立ち位置は大前提として頭に残しておかなければいけないと思います。

サービスマンは人たらし

『人たらし』

良い意味では、多くの人から愛されたり可愛がられたりする人の事を言ったりします。

飲食店において、お客様に信頼してもらったり、同僚から支持してもらったりで、多くの人に好かれる事はまさに『人たらし』になる事だと思います

 

ちょっと大きな話になりますが、人生において “人とのつながり” はとても大事なものだと思います。

自分を好いてくれる人は、困った時に助けてくれたり協力してくれたりします。また困った時だけではなく、色々な感情を分かち合って、良い影響を与え合う事も出来ます。

飲食店においての人とのつながりは、あくまでも “お客様” としての関係が多いので、ある程度の壁はあった上での関係になるかもしれませんが(場合によってはお客様の枠を超えた一生付き合える友人のような関係となる事もあるかもですが)、それでも、”つながっていない” よりは、”つながっている” 人が多い方が、自分も相手も巡り合えるチャンスの数が多くなると思います。

 

そんな、とても大事なつながりを得るために、『人たらし』となって多くの人に好かれる事は、やはり大きなプラスとなると思います。そして、そんな『人たらし』になるためのテクニックを磨く鍛錬や経験の場が、日々の接客のコミュニケーションの中にあると思いますので、飲食店スタッフはそんな存在になりやすいのかと思います。

人に「会うと元気をもらえる」とか言ってもらえたら嬉しいですよね。

 

“マジメで” “前向きに” “楽しく” 働いているスタッフのいる飲食店が、世の中にたくさんの元気を振りまいていけたら、とても良いなと思います。

コメント