ブライン液? ソミュール液? 便利な仕込み液

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飲食店 話しのタネ

「ブライン液」 や 「ソミュール液」という言葉、聞いた事ありますでしょうか。飲食店で働いている人はご存じの人もいるかもしれません。

簡単に言うと、どちらも ”お肉を柔らかくすることのできる魔法の水” です。

お肉を調理する前に、この液に浸けて仕込んでおくとお肉がとても柔らかくなります。
いくつかの科学的な理由により柔らかくなるのですが、今回は手軽にお肉を美味しくすることの出来る仕込み液の、「ブライン液」や「ソミュール液」に関してお話させてもらいます。またその他の仕込み液に関しても付随してお伝えしますね。

それではいってみましょう。

 

ブライン液、ソミュール液、便利な仕込み液

ブライン液とソミュール液 その違い

ブライン液とソミュール液、どちらも材料は変わりませんで、「水」「塩」「砂糖」から出来た塩糖水(エントウスイ)です。じゃぁ何が違うの? と言いますと、以下のような違いがあります。

1:塩分濃度

●ブライン液  →塩分濃度5%     (例えば 水 100cc、塩 5g、砂糖 5g)

●ソミュール液 →塩分濃度15%前後 (例えば 水 100cc、塩 15g、砂糖 5g ※砂糖の量はお好みで調整)

お塩の量が違います。塩の濃度が濃い方がソミュール液ですね。
ちなみに、ブライン液の塩分濃度は「5%」と定まっているのですが、ソミュール液はアバウトで「5%~20%」くらいの幅で作られたりします。

2:使用目的

どちらの液も “お肉を柔らかくするため” といった目的はあるのですが、より厳密に分けると以下のように区別されたりします。

●ブライン液  →お肉を柔らかくする

●ソミュール液 →材料に下味をつける

ブライン液の方は肉を柔らかくする事に特化していて、ソミュール液には下味をつける目的もあります。

ちなみに、塩糖水 (エントウスイ) によりお肉がやわらかくなる理由は、
『 “塩”が肉のたんぱく質を分解して水分を入り込みやすくして、水分を留める性質のある “砂糖” が水分を保持する』
というもので、お肉に水分を含ませてパサつきをなくすといったものです。ただ、塩水には “浸透圧” という作用により、素材から水分を出す働きもあります。キュウリの塩もみで水分を抜く、といった工程が浸透圧を利用したものですね。
素材から水分を出す事は、ブライン液の、「水分を含ませてジューシーにする」という目的に相反する作用なのでつじつまが合わなくなるように感じますが、こちらに関しては塩分濃度次第で調整する事が出来ます。
浸透圧がおきて素材から塩分が出るのは、素材と塩水の塩分濃度のバランスが崩れた時なので、ブライン液をお肉に使用する場合、そのバランスを崩さないために5%という塩分濃度がとても重要です。5%を上回る塩水にしてしまうと、浸透圧が起きて塩分が抜けてしまう事もあるのでご注意ください。

一方、ソミュール液は5%を超える濃度で作る場合もありますが、こちらはただ水分を含ませるという目的よりも、肉に塩気の下味をつける目的の方が強かったりもするので、5%以上の濃度で作られたりもします。
ちなみに、下味をつけるといった意味合いで、ソミュール液は塩、砂糖の他に、ハーブやにんにく、香辛料などが使われることも多いです。

まぁ、ブライン液とソミュール液を厳格に区別せずに、ざっくりと両方を “ソミュール液” と認識して作っている人も多い気がします。

 

使い方

ブライン液でもソミュール液でもどちらも材料を浸ける必要がありますが、使い方に関して以下のようなポイントがあります。

・袋に入れる

素材全体を浸けるために、バットや容器を使うよりも、ビニール袋やジッパー付きのフレキシブルに形が変わる袋を使用した方が、全体が浸かりやすく、また少ない量でもしっかりと浸ける事が出来るのでおススメです。

・肉をフォークで刺す 繊維を壊して水を入りやすくする

お肉は、あらかじめフォークなどを数回刺して繊維を壊しておくとより浸透率が上がります。

・浸けおき時間

素材によって浸けおきの時間は変わりますが以下を目安にご参考ください。

【鶏肉】    4時間~一晩(8時間くらい)
【豚肉/牛肉】 1~2日間
【魚】     1時間前後

また、浸けおき後に揚げたり、油をひいて焼く場合は、水分が残っていると油跳ねにつながってしまう事もあるので、調理前にお肉の表面をキッチンペーパーなどで拭き取った方が良いです。

・注意点

・一度使用したブライン液/ソミュール液は2度使い禁止です。一度使用した液の再利用は食中毒のリスクがあるので絶対にやめましょう。

・塩分濃度が高すぎると逆に素材が固くなってしまう事があるので、しっかりと軽量してつくりましょう。

・アレンジ

先にも記載しましたが、ソミュール液においては、にんにく、こしょう、鷹の爪や、その他のハーブ(タイムやローリエなど)を加える事で、特有の風味付けを行う事も出来ますので色々試してみてください。

 

他にもある調味液

マリネ液

『マリネ』は聞いた事がある人も多いと思います。
マリネとは、肉・魚介類・野菜などの食材をお酢やワイン、オリーブオイルの調味液に浸けこむ調理法、または料理名、なのですが、マリネ液はこれに使用する液を指します。
下味をつけるために色々な材料が使われることも多く、色々なレシピがあります。香り付けにハーブが使われることも多いですね。

ピクルス液(ピックル液)

『ピクルス』もよく聞くと思います。ピクルス液またはピックル液はピクルスを作るために使う調味液で、ピクルスの味わいを思い出していただくと分かると思いますが、主にお酢を使用した調味液です。
マリネ液と同様にハーブなどが使われることも多く、種を抜いた唐辛子も良く使われますね。
水、塩、砂糖のソミュール液をベースに各種スパイスなどの香辛料を加えて、一度沸騰させてからお酢を加える、といった工程でつくられます。

バッター液

これもよく聞く名前かと。揚げ物を作る際の衣付けに使用します。
主な材料は、卵と小麦粉。レシピによっては水も使用したり卵を使わなかったり牛乳を使用したり、小麦粉ではなく片栗粉を使用したり、といったものも一般的ですね。

いくつかある仕込み用の調味液ですが、特にブライン液やソミュール液などは、比較的簡単にお肉を柔らかく美味しくしてくれるので本当におススメです。
手作りでも簡単に作れますが、市販のもので同様の商品もあるのでぜひ活用してみてください。

 

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