「パンシアード」
という単語、皆様ご存じでしょうか。私は飲食業界に20年近くおりますが、最近知りました笑
パンシアードとは『フライパンで焼く』事です(ちなみに比較的耳にする「パンソテー」は『フライパンで炒める』事です)
こんな感じで、以下のお悩みよく聞きます。
「レストランに食事に行くとメニューの名前で分からないものが、、、」
「何が、どのような状態で来るのか
全く分からない、、、」
「デートの時などは聞くのも恥ずかしい。」
なんて経験、ありがちです。フレンチレストランではメニュー名の最初から最後までさっぱり分からない。。なんてこともあるかと思います。
今回はそんな飲食店にありがちな難しい名前のメニューに関してのお役立ち知識。
また、よく分からない単語だけでなく、「グリル」と「ロースト」など、よく聞く単語だけど、違いまでは分からないといったものも紹介していきます。
それではいってみましょう。
パンシアードなど、分かりにくい調理法やメニュー名
●よく聞くけど何だか分からないメニューの名前
飲食店のメニューで良く見るけど、いったい何なのだろう?というものです。フランス料理で使われる言葉が多いですね。
ポワレ
フランス料理の「焼く」調理法の1つ。フライパンで魚や肉の表面をカリッと焼き、中をふっくらと仕上げる調理法。『アロゼ』という技法を併用して調理されることが多い。アロゼは、焼いている途中でフライパンにある油をすくって食材にかける技法。
フランス料理の調理工程を見ていると、フライパンを斜めにして、焼いている食材にスプーンですくった油をかけているシーンを見たりしますよね。
ちなみに、昔のポワレの調理法は少々異なり、出汁と一緒に蒸し焼きにする調理法の事を指していた。現在、同様の調理法は『ブレゼ』が近い。
また、同じ「焼く」調理法で「ムニエル」と「ソテー」があるが、ムニエルは主に魚に使われる調理法で、食材に小麦をまとわせてバターで焼く。ソテーは、炒めるといったニュアンス。
コンフィ
フランス料理の「煮る」調理法の1つで、食材をオイルに浸して低温でじっくりと加熱します。もともとは、冷蔵・冷凍などの食材の保存技術がない時代に保存性をあげるために行われていた調理法。油で煮たあとにそのまま冷やすので油脂が食材を覆い、空気や水分を遮断する事で保存性が高まる。同時に肉汁を逃がさずにじっくりと火を入れられるので、食材がやわらかくジューシーに仕上がるのが特徴。
ちなみに、肉や魚などの食事の調理で出てくる「コンフィ」は “オイル煮” ですが、デザートなどで出てくるような “果物のコンフィ” は、果物のシロップ(砂糖/リキュール)漬けなので、ご注意ください。
さらに、シロップで果物を “煮る” と『コンポート』になります。ややこしいですね。
ブレゼ
フランス料理の「煮る」調理法の1つ。”蒸し煮” と言われることもあるが、日本の蒸し煮とブレゼは少々異なる。日本の蒸し煮は、少量の水分と素材が持つ水分で蒸す方法。
ブレゼは、まず食材(肉)の表面を焼いた後、密閉出来る鍋などに食材(肉)が半分浸かるほどの水・出汁・ワインなどの水分をいれてオーブンで加熱する、「煮ながら蒸す」調理法。脂肪分の多い肉を調理するのに最適で、肉の食感や風味を保ち旨味を引き出しつつ、煮込み料理らしく柔らかく仕上げる事が出来る。
ちなみに、同じ「煮る」フランス料理の調理法で『ポシェ』というものもあるが、こちらは低温で煮る事。低温の油で煮る “コンフィ” は “ポシェ”の中の調理法の1つでもある。
ミキュイ
半生と言う意味のフランス語。サーモンやマグロなど生食が可能な魚や肉(主に魚)を半生に仕上げる調理法。真空調理機が普及したことにより、家庭でも調理がしやすくなった。
●なんとなくイメージあるけど、詳しくは言えないシリーズ
次は、よく聞く単語ではあるがその違いは詳しく分からない、みたいな調理法の紹介
グリル、ロースト、ソテー、ムニエル( “焼く” 調理法の違い)
【グリル】
網や波型の溝がある鉄板を使い食材に網目模様の焼き色を付けて焼く事。余分な脂や水分が溝や穴に落ちるので表面がパリッと仕上がり、内側は柔らかく仕上げられる。
【ロースト】
食材を大きな塊のまま直火かオーブンで時間をかけて焼く事。蒸し焼きや炙り焼きと言われる。
【ソテー】
油をひいたフライパンなどで食材を焼いたり炒めたりする事。油で高温にし短時間で火を通すので、素材の旨味を閉じ込めジューシーな仕上がりになる
【ムニエル】
魚の切り身に小麦粉をまぶし、バターで焼いたもの。
●日本語の調理法の英語訳 一覧
これまでは、主にフランス語のよく分からない名前の紹介がほとんどでしたが、ここでは主な調理法を英語訳したものを一覧でご紹介。海外旅行でレストランを利用する時や、海外ゲストをおもてなしする時に知っておくと便利かな。
・cook:上記でたくさんの “焼く” を紹介してきましたがざっくりと “焼く” はシンプルに『クック』
・fyy:油をひいたフライパンで焼く
・grill:網など使って直火で焼く
・bake:ケーキやパンなどをオーブンで焼く
・roast:野菜や肉をオーブンで焼く
・toast:パンを焼く
・stew:弱火でコトコトと長時間煮る
・simmer:沸騰させないようにグツグツと短時間煮る
・stir-fry:ステア(かき回しながら)さっと焼くといったニュアンス
・deep-fry
・boil:沸騰したお湯でゆでる
・poach:熱湯でゆでる
・steam
ざっくりと紹介させていただきましたが、このような単語はまだまだたくさんあると思いますので、随時更新させていただきます。また別でまとめたりもしますので、ご覧になっていただければ幸いです。
サービス業の皆さんは知識をよりよいサービスに役立てていってお客様に楽しんでもらえたら何よりです。
今回もありがとうございます。
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