お茶は同じ葉っぱから出来ている

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普段、お茶飲みますでしょうか?
ウーロン茶、紅茶など色々なお茶がありますが、お茶の葉っぱは実は一緒、って聞いた事ありませんか。
そうなんです、一緒なんです。
“緑茶” も “ウーロン茶” も “紅茶” も、実は全部同じ葉っぱからつくられています。

「え、味違うじゃん」

「はい、違います」

と、いう事で、今回はそんなお茶に関してのお話です。

 

お茶は同じ葉っぱから出来ている

お茶の種類

緑茶、抹茶、番茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶、プーアール茶、などなど、たくさんのお茶がありますよね。先にもお伝えしましたが、こちらに名前が出たお茶は全て同じ葉っぱから作られてます。
それぞれのお茶はもちろん仕上がりの見た目や味わいが変わってくるのですが、その違いは、主に “発酵の度合い” によってうまれます。

という事で、発酵度合いなどの生産方法の違いにより色々な種類のお茶が出来上がるのですが、まずはおおもとのお茶の葉っぱについて。

【チャノキ】
学名を「カメリアシネンシス」、英名を「Tea plant」和名を「チャノキ」という、ツバキ科の常緑樹の葉っぱや茎がお茶の原料です。常緑樹なので樹には一年中葉っぱがついています。
中国原産と言われていて、中国のものは高い樹だと10m弱になるのですが、日本では4~5m、茶畑などで栽培されているものは、1~2m程度に剪定されているものが多いようです。
チャノキの葉っぱの、収穫時期 / 収穫方法 / 収穫後の加工方法により色々なお茶が出来るのですが、まずは収穫後の加工方法である “発酵” によるお茶の違いを紹介します。
ちなみに、お茶の ”発酵” は一般的な発酵とは若干意味合いが違います。一般的に発酵とは「微生物(乳酸菌・麹菌・酵母など)のはたらきにより食物が変化し、人間にとって有益に作用すること」なのですが、お茶の “発酵”の場合は、微生物は登場せずに、酸化酵素によりカテキンが “酸化” することを指します。茶葉は発酵(酸化)する事で褐色に変わっていきます。
なぜ、シンプルに “酸化” と言わずに “発酵” なのか。。その理由は、昔からそのように言われているから、らしいです。
仮説ですが、、お茶の葉っぱの変化が「発酵」ではなく「酸化」によるものだと判明したのは近年の研究によるものだったので定着した言葉を今さらかえられなかった、といったところでしょうか。
ちなみに、乳酸菌などの微生物によって本当の意味で発酵させたお茶もありますので、そちらも後ほど紹介します。

不発酵茶(緑茶/リュウチャ)

日本の代表的なお茶である緑茶は不発酵茶に入ります。緑茶は収穫後の葉っぱを発酵させないお茶で、お茶の葉を摘んだ後すぐに加熱して発酵が進まないように作られます。
加熱の方法はざっくりと2つで、 “蒸す” と “炒る” があります。日本のお茶で用いられる方法は、ほとんどが “蒸す” で、”炒る” は中国でつくるお茶で使われます。
「蒸し」のあとに「揉み」「乾燥」などの工程を経て緑茶が出来上がるのですが、同じ緑茶でも、これらの工程の違いによって色々な種類に分けられます。いくつかある緑茶の種類についてはまた後述させていただきます。

 

半発酵茶(青茶/セイチャ・チンチャ)

中国のお茶、と聞いてまっさきに思い浮かぶ “ウーロン茶” は半発酵茶に分類されます。(中国の人達が私たちと同じように、お茶と言えばウーロン茶、と思い浮かべるのかどうかは分かりませんが、、)
半発酵茶は、茶葉の発酵を途中で止めて作られます。発酵した茶葉の茶褐色の部分と発酵していない緑色の部分が混ざって青っぽく見えるから、”青茶” と呼ばれるようです。

摘み取られたお茶の葉を、「萎凋(いちょう)」という、生の茶葉を放置し水分を蒸発させて萎れさせる工程を行い、水分を抜きます。その後、かごに入れて回転させることで葉に傷をつけて発酵を進めます。茶葉の表面が茶褐色、中心は緑色といった具合に程よく発酵した段階で釜炒りによって発酵を止めます。

ちなみに、半発酵茶には青茶以外にも、半発酵の度合いによって以下の2種類のお茶もあります。

微発酵茶・弱発酵茶(白茶/パイチャ)

半発酵茶の中ではもっとも発酵の弱いお茶で、水分を抜く作業の萎凋と乾燥により作られるので、茶葉の揉みこみの工程がありません。揉みこみを行わない事で茶葉表面の白い産毛が残って白っぽく見えることから、白茶と呼ばれるようです。

軽微発酵茶(黄茶/ファンチャ)

こちらは、中国以外ではあまり作られることのないお茶で、手間のかかる作り方のため高級品となります。
緑茶と同じようにまず熱処理により発酵を止めた後、悶黄(もんおう)という牛皮紙を使った湿度と熱により葉緑素を破壊する工程により、茶葉が黄色みがかります。この黄色っぽい色味から黄茶と呼ばれるみたいです。
また、黄茶の作り方による発酵は、通常の茶葉の発酵である酸化が行われないため、半発酵茶の分類ではなく、後発酵茶に分類分けされることもあります。

 

発酵茶(紅茶/ホンチャ)

ヨーロッパでお茶と言えば主にコレがイメージされるかと思います。特にイギリスのイメージが強いですかね。紅茶は発酵茶で、半発酵に比べて、最大限発酵を進めて作られるお茶です。
発酵の下準備の「萎凋」の工程を、半発酵茶では数十分から数時間程度行うのに対して、発酵茶は十数時間かけてじっくりと行います。
その後、「揉捻(じゅうねん)」というお茶の葉を揉む作業で茶葉を傷つけて発酵を促し、十分に発酵が進んだら熱風乾燥により発酵を止めます。
代表的なものに、インドの “アッサム” や “ダージリン”、スリランカの “ウパ”、 中国の”キーモン” などがあります。

 

後発酵茶(黒茶/ヘイチャ)

こちらのお茶が先述した、本来の意味である「発酵」を行う、微生物により発酵したお茶です。
後発酵茶は、不発酵茶である緑茶をベースに作られるので、茶摘みを行った後に加熱して発酵(酸化)を止めた状態の茶葉に、カビ菌や乳酸菌などを加えて発酵させて作られます。
代表的なものとして、中国の “プーアール茶”、日本の “碁石茶” “阿波番茶” などがあります。
それぞれで使用する菌が違い、プーアール茶はカビ菌、阿波番茶は乳酸菌、碁石茶はカビ菌と乳酸菌の両方、の菌により作られます。

 

チャノキの葉っぱ以外のお茶

少々脱線しますが、世の中に “お茶” は本当にたくさんあって、お茶の葉(チャノキ)以外からも多くのお茶が作られているので、ざっくりと分けて簡単にご紹介します。
ちなみに、チャノキ以外のものから作られるお茶は「茶外茶(ちゃがいちゃ)」と呼ばれたりするようです。

穀物系:コーン茶(とうもろこし)・麦茶(大麦)・はとむぎ茶(はと麦)・そば茶(そば)・黒豆茶(黒豆)
根菜系:ごぼう茶・しょうが茶
野草系:ルイボスティー・ミントティー・どくだみ茶・よもぎ茶
花系 :ジャスミン茶・カモミール・菊花茶

これらのお茶のほとんどがノンカフェインだったりするので、妊婦さんなどカフェインを控えている人に人気ですね。

ただ、チャノキの茶葉をベースに上記の茶外茶を足して作られるようなものもあるので、そういったものは正確には茶外茶とは呼べないですし、カフェインも入っているので要注意です。

 

緑茶の種類

不発酵茶の緑茶の中にも、収穫時期や育成方法の違いによって、いくつかの種類の緑茶が出来上がるので、深掘りして紹介していきます。

【煎茶】
日本で最も一般的なお茶。茶葉の採取後に蒸して発酵(酸化)を止める。蒸し時間は30秒程度。
【深蒸し煎茶】
煎茶よりも長い時間 (1分強程度) 蒸す事で苦みや渋みが抑えられコクのある味わいとなる。
【玉露】
茶摘み前の約20日間、茶園全体を覆い日光を遮る「被覆栽培」を行う。光合成を止める事でアミノ酸(テアニン)が豊富になり、うまみが凝縮され上品な味わいとなる。
【かぶせ茶】
茶摘み前の約1週間、「被覆栽培」を行う。玉露に比べてアミノ酸(テアニン)は少なくなり、渋み成分のカテキンやタンニンは多くなる。煎茶と玉露の “いいとこどり” したようなお茶。
【てん茶 (碾茶)】
玉露同様、被覆栽培した茶葉を蒸した後に揉まずに乾燥させたもの。そのまま飲まれるのではなく、主に後述する “抹茶” の原料となる。
※同じ発音の『甜茶』とは別物。甜茶はバラ科キイチゴ属の植物が使用される。緑茶はツバキ科カメリア属の植物なので、そもそもの葉っぱが違う。
【抹茶】
前述の “碾茶” を茶臼で挽いて粉末状にしたもの。淹れ方は他のお茶と違い、茶せんで攪拌して飲まれる。日本伝統の茶道で使われるお茶。成分を抽出した液体を飲むのではなく、粉末を溶かした液体を飲むので、お茶のもつ栄養素をダイレクトに味わえる。お茶としてだけではなく、スイーツなどの料理にもよく使われる。
【粉茶(粉末緑茶)】
見た目は “抹茶” と区別がつきにくいが、粉茶は煎茶を原料にして挽いたもの。
※抹茶は碾茶を挽いたもの。
【番茶】
上記のお茶は主にその年の一番最初の新芽(4月~5月)から作られるが、新芽を刈った後に育った芽(6月~9月以降)を用いて作られるのが番茶。また、上記のお茶を作るうえで行う選別からもれた、固い葉や、新芽として刈られなかった生育した大きい葉などを原料として作られたものも番茶と呼ばれたりする。
お茶の葉は若い芽の方がカフェインを多く含み、成熟した葉はカフェイン含有量が少ないため、カフェインを気にする人にとっては飲みやすいお茶で、さっぱりとした味わいも特徴。
※京都では、「京番茶」と呼ばれるような、茎や枝ごと刈った茶葉を強火で炒ることでスモーキーな香りがついたお茶の事を指す場合がある。番茶なので味わいはさっぱりとしているも独特の香りがある。
【ほうじ茶】
煎茶や番茶を強火で焙煎して香ばしさを引き出したお茶。見た目(茶色)と反してカフェインが少ないので、あっさりとした味わいとなる。
※前述の「京番茶」と焙じる点で製法が重なるが、ほうじ茶は煎茶・番茶・茎茶などを原料とするが、京番茶はあくまでも番茶から作られる。
【蒸し製玉緑茶】
途中まで煎茶と同じ工程で作られるが、「煎茶」は、精揉と呼ばれる葉の形を細長くまっすぐ整える作業を行うのに対して、「玉緑茶」は回転するドラムで熱風により乾燥が行われるので、茶葉が丸みをおびた勾玉状の形になる。味わいはまろやかなうまみと少ない渋みが特徴。
【釜炒り玉緑茶】」
上記の緑茶のほとんどは、発酵(酸化)をとめるために行う熱処理を “蒸す” 工程で行うが、釜で “炒る” 工程もある。この炒る工程は中国茶の製造においてよく見られる製法だが、日本では全体数は少ないもののそのほとんどが九州地方で作られる。
釜炒り玉緑茶は、摘まれた茶葉を釜で炒り発酵(酸化)をとめたあと、蒸し製と同様に “揉み” の工程を行わずに回転ドラムで乾燥させるので同様の勾玉状になる。味わいは香ばしい釜香を感じるのが最大の特徴。

他にも、玄米茶、茎茶(棒茶)や芽茶、また各地方によって作られるお茶もあり、細分化するとかなり多岐に渡りますが、とりあえずこんなところで。。

紅茶の種類

ダージリンとアッサム

 

同じお茶でもいろんな種類のお茶がありますね。
広義では、植物を水なりお湯なりに浸けて出る飲み物をお茶とも言えそうなので、いくらでも作れそうな気もします。
ただ、中には毒性のあるものもあるかもしれないので、手当たり次第に試すのはやめた方がいいです。。

それではまた次回。

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