一時期、流行ったこともあるので、『バクラバ』という単語、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
ずばり、バクラバとは、中東料理のスイーツです。(ちなみに、”バラクラバ” という似た単語がありますが、こちらは “目出し帽” の事を言います)
バクラバは、よくトルコ料理の代表的なお菓子として紹介されていることが多いですね。ちなみに、トルコ料理は世界三大料理の1つ(他の2つは、フランス料理と中国料理)として数えられていて、歴史的にも食文化に広く影響を与えてきたのですが、バクラバ以外にも聞いたことのある名前の料理がいくつかあります。
おそらく知名度No.1は、皆様ご存じの『ケバブ』かと思いますが、他にも興味深い面白い料理や、「なんか聞いたことあるな」みたいな単語のものがちらほらとあるので、バクラバをはじめ今回はトルコ料理についてお話しさせてもらう事にします。
それでは、いってみましょう。
バクラバってなに?
バクラバ
まずは本題のバクラバですね。
ご紹介した通り、中東料理のスイーツなんですが、かなり甘さのあるスイーツです。
フィロという薄いパイ生地を重ねて、刻んだピスタチオやクルミなどのナッツ類を挟み、焼き上げた後に、たっぷりとシロップをかけます。
四角や丸形、筒状のものを切り出して提供されるので、形状は様々ですね。ちなみに、イスラム圏は基本的にはアルコールを飲まない文化なので、甘いものを好んで食べる習慣があるとか言われたりするのも、甘さの強いスイーツが生まれる理由なのでしょうか。
他にピスタチオを使用した中東のお菓子だと、”ドバイチョコ” が大流行りしましたね。ドバイチョコは、”カダイフ” という極細麵の生地とピスタチオが使われるのが特徴なのですが、バクラバでもフィロに挟むフィリングにカダイフを使う事があるので、使われる材料が似てますよね。
さらに、”クナーファ” という似た感じのスイーツも中東にあるのですが、こちらは、フィロ(パイ生地)ではなく、カダイフでフィリングを挟んだスイーツです。トルコではよくチーズ系のフィリングを挟んで焼いた後にシロップをかけて食べられるみたいです。
ケバブ
お次はトルコ料理のメジャー選手、「ケバブ」
こちらは、みなさまイメージしやすいかと思いますが、(基本的には) お肉を焼いた料理ですね。
形状や使用食材によって様々な、○○・ケバブがあり、すべてを網羅したり細かな違いを説明しつくすのは難しそうなので代表的なものを以下に紹介します。
【ドネル・ケバブ】
日本でよく見る露店のケバブ屋さんで食べられるものは “ドネルケバブ” 。「ドネル」は “回転” の意味で、串に刺した塊肉の表面を回転させながらじっくり焼いて、焼けた部分を削って提供してくれます。
使われるお肉は、鶏・牛・羊などが一般的です。豚肉はイスラム圏では食べないのでトルコでは基本見かけません。ちなみに、あの塊肉はもともとの肉塊ではなく、薄切り肉を脂などで積み重ねたり、ひき肉を成形したり、また薄切り肉とひき肉を合わせて作られたりするみたいです。鶏肉はモモの一枚肉を串にどんどん刺して押し固めて作られる方法もあるようです。
自分は昔、もともとの肉塊だと思っていたのですが、よくよく考えると、塊肉をあの大きさであんなにきれいに成形できなそうだし、そもそも鶏肉であのサイズ感はおかしいですよね。
【シシ・ケバブ】
こちらの単語も比較的耳にしたことがあるかと。「シシ」は “串” の意味で、ドネルケバブのような大きな串ではなく、日本の焼き鳥のような見た目の串焼き肉なのですが、日本のものより長いものが多く、また串のまま食べるのではなく、串から外して食べるのが一般的なようです。
【アダナ・ケバブ】
スパイスで味付けしたひき肉を、シシケバブで使用するサイズ感の長い串につけて焼いたものです。「ひき肉を串に付けて焼く」というと “つくね” を想像しがちですが、まず、串が長いのと、つくねのように楕円に巻き付けるのではなく、平べったくつけていくので、日本の焼き鳥のつくねとは見た目はだいぶ異なります。そして、シシケバブ同様、串から外して食べます。使われるお肉は羊肉が一般的みたいですね。
【テスティ・ケバブ】
こちらはあまりメジャーではないかと思いますが、個人的にすごく気になったので紹介。肉を”焼く” のではなく “煮る” 料理で、素焼きの壺に、肉や野菜を入れて蓋をして煮込みます。壺の蓋はパイ包みのようにする場合の他に、壺の上部を切り落としたり、割ったりといったパフォーマンス性のある開封方法を行うこともあるみたいです(もちろん私は見たことも食べたこともないので、いつか本場で体験してみたいです。貴重な食体験になりそうですよね。)
フムス

こちらもなんとなく聞いたことがあるな、といった感じではないでしょうか。英語寄りの人は「ハムス」と発音したりもしますが、本場に近い発音だと「フムス」です。
ひよこ豆をペースト状にしたもので、パンやクラッカー、野菜などにディップしたり、肉料理の付け合わせとして添えられたりと、あらゆる食事のシーンに登場する万能選手です。トルコ料理というよりは中東全般や地中海沿岸地域でよく食べられていますね。
ひよこ豆・ごま・にんにく・オリーブオイル・レモンなど、植物性の材料しか使用せずに、高タンパクで栄養バランスの良い食事で、比較的作りやすいこともあり、中東地域だけでなく、食事制限のある人や健康を意識する人たちにも注目されています。
ラフマジュン
こちらもそんなにメジャーじゃないかと思いますが、フムス同様中東地域全般で食べられる料理みたいなのでご紹介。
ぱっと見は、ピザのような見た目なのですが、材料や作り方、食べ方が違います。
薄く伸ばした円形のパン生地の上に、スパイスなどで調味したペースト状の肉やひき肉を塗って焼き上げます。後に、フレッシュのレタスやトマト、パセリなどをのせて、レモン汁を絞り、くるくると巻いて食べます。
どちらかというとファーストフード的な感覚で気軽に食されるみたいです。
ちなみに、ラフマジュンは具材としてチーズが使われることはないので、ピザとは違った味わいになるのですが、他に「ピデ」という料理があり、これは船形にしたもうちょっと厚めの生地にチーズや、その他様々な具材がのせられたりするので、こちらの方がピザに近い料理です。
トルココーヒー

砂の中に専用の器具を入れて温めて、コーヒーの液がもこもこと上ってくる動画、見たことあるでしょうか。あれがトルココーヒーです。
ちなみに、砂で温める方法がインパクトがあるのでフーチャーされがちですが、あのスタイルが絶対的なトルココーヒーの特徴ではなく、小麦粉くらい細かく挽いた粉を直接煮出して作られるコーヒーの事をトルココーヒーと言います。なので、トルコの家庭などで、一般的にトルココーヒーを楽しむときはコンロなどを使い鍋で煮出して作られるようです。
粉も一緒に煮出して温まったものをろ過せずにそのまま容器に移したりするので、もちろん液体の中に粉も残ります。なので、ちょっと時間をおいて粉を容器の下に沈めた状態で飲んで、最後まで飲み切らずに粉と若干の液体を残します。
たまにトルココーヒーは粉を一緒に飲むコーヒー、みたいな説明を見たりしますが、どちらかと言うと、粉を一緒に飲もうとして (楽しもうとして) 飲んでいるのではなく、やむを得ず口に一緒に入ってきても受け入れる、といったニュアンスが正解かと。
細かい粉を直接煮出して飲まれるので、通常のフィルタータイプのコーヒーよりも濃いめの味が楽しめる、とか言われたりもしますね。まぁ、フィルターコーヒーや他のコーヒーの淹れ方と同様に、豆の種類や焙煎度合い、挽き具合など、味わいに影響を与えるポイントはたくさんあるので、味の特徴は断定的には言いにくいと思いますが。個人的にはエスプレッソを飲んでいるような感覚でした。
ちなみに、このスタイルで飲まれるトルココーヒーがトルコ全般で飲まれている、というよりは一般的なフィルターコーヒーも十分に流通しているみたいで、トルコの人も好みによって飲み分けているような感じみたいです。
ロクム

ロクムは比較的マイナーかと思いますが、トルココーヒーを紹介したので一緒に。
甘いもの好きなイスラム圏の方々はトルココーヒーとともにお茶菓子的に甘いものを食べたりします(トルココーヒー自体に砂糖をいれて甘くしたりもします)そこで、よく一緒に食べられる定番が「ロクム」
“でんぷん” と “砂糖” と “水” といったシンプルな材料で作られる、ゼリーのような、餅のような、グミのような小さな四角いお菓子です。もっちりとした粘り気のある感じが日本の求肥に近い食感ですが、求肥よりも多少弾力性があるので、四角い形を保てているといった感じでしょうか。
フルーツフレーバーが足されたり、砕いたナッツ類を入れたりと、味のバリエーションは多いみたいです。
すごく個人的で偏った感想ですが、駄菓子屋にあった、つまようじでさして食べる小さな平べったい四角形のお菓子( “さくらんぼもち” とか “もちもち君”などの名称で売られていた)に、水分量を足してねっとりもっちりとさせたような感じ、でした。自分が食べたロクムは、そんな感じだったのですが、もともと “さくらんぼもち” が好きだったのもあり、とても美味しかったです。
トルコアイス

「ケバブ」と同様、露店でのパフォーマンスを含めて流行ったトルコアイスですが、トルココーヒーと違って、トルコで “トルコアイス” の単語は通用しないみたいです。(トルココーヒーは、トルコでも “トルココーヒー” で通じるみたいです)
粘り気のある伸びるアイスを、注文して受け取る時になかなか渡してくれない、というのがトルコアイスだと思いますが、トルコでは伸びるアイスの事は “ドンドゥルマ” と呼ばれます。そして、あのなかなか渡してくれない、といったパフォーマンスは、話題性やエンターテイメントの販促手法として取り入れられただけのようで、ドンドゥルマの特徴とは言えないようです。トルコでも、観光客相手の “ドンドゥルマ” のお店では、なかなか渡さないパフォーマンスを行って提供される場合もあるようですが、トルコの人が普通に “ドンドゥルマ” を食べるときには普通に受け取れるようです。なんだか、すごく安心しました。毎回あのやりとりがあったら別に食べたくない、と思うんですよね笑
ちなみに、粘り気の正体は、グルコマンナンという成分を含む、中東特有のラン科の植物の塊茎(地中の茎に養分がたまって肥大したもの)を乾燥させた「サーレップ」というもののようですが、現在は希少な素材となっているみたいなので、中東以外の地域ではもちろん、中東でも代わりに増粘多糖類を使って作られるものが多くなっているようです。
今回は、トルコ料理を中心にいくつか紹介させてもらいました。
「あ、食べたことある」とか、「あ~聞いたことある~」みたいなものもあって、意外と身近だったりもしますね。
世界三大料理にも数えられるトルコ料理、簡単に旅行で行ける場所ではないのですが、いつの日か本場の味を食べられることを夢見て頑張ります笑。
今回もありがとうございます。


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